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寝る前に「1本だけ」と開いたショート動画。気づけば1時間たっていて、翌朝もなんとなく頭がぼんやりする。そんな夜が続いていませんか。
この記事では、話題の言葉「ドパガキ」の意味と、研究でわかっていること・わかっていないことを整理したうえで、ショート動画を「やめる」のではなく「選んで使う」ための14日プランを紹介します。根性論ではなく、設定と環境で減らす方法です。
この記事でわかること
- 「ドパガキ」の意味(俗語であり診断名ではない)
- ショート動画と集中力・睡眠の関係について、研究で言えること
- 14日間でスマホとの付き合い方を変えるプラン
- 無料で使える時間管理ツール
目次
「ドパガキ」とは? 俗語であり診断名ではない

若年層の流行語ランキングで急上昇
LINEリサーチが全国の15〜24歳を対象に行った流行の定点調査(2026年9月、有効回収4,738)で、「ドパガキ」は前回の212位から15位に急上昇しました(LINEリサーチの発表)。
調査対象は15〜24歳なので、本誌の読者層とは一部しか重なりません。それでも、ショート動画を見すぎてしまう感覚が多くの人に共有されていることがうかがえます。
自虐ワードとしての使われ方
「ドーパミン」と「ガキ」を組み合わせた言葉で、刺激の強いショート動画などを次々に見てしまう人を指します。多くは自分をからかう自虐ワードとして使われています。INTERNET Watchでは、20代のライターが「ドパガキ」を卒業しようとする体験記を公開しています(INTERNET Watch)。
この記事のスタンス
「ドパガキ」は医学的な診断名ではありません。この記事は自己診断や「依存症かどうか」の判定に使うものではなく、使い方を自分で選び直すための実践ガイドです。
研究でわかっていること・わかっていないこと

集中力:71研究・約10万人のメタ分析
オーストラリアのグリフィス大学の研究チームが71の研究(参加者98,299人)をまとめたメタ分析では、ショート動画の利用が多い人ほど、注意(r=−0.38)や抑制制御(r=−0.41)の指標が低い傾向が見られました(Psychological Bulletin, 2025/PubMed)。
ただし、これは「関連がある」という結果であり、ショート動画が集中力を下げると証明したものではありません。もともと注意がそれやすい人がショート動画を多く見ている、という逆の可能性も否定できません。
睡眠:小規模な横断研究
中国の20〜33歳328人を対象にした横断研究では、1日の視聴時間が長いほど睡眠時間が短いという関連(r=−0.73)が報告されています(Healthcare, 2026/Maastricht University)。
こちらも一時点の調査で、因果関係はわかりません。参加者も少なく、地域も限られています。若年層を対象にしたシステマティックレビューも出ていますが(International Journal of Adolescence and Youth, 2026)、研究はまだ発展途上です。
言い過ぎないために
「脳が壊れる」「ドーパミンが枯れる」といった強い言い方は、現時点の研究からは言えません。言えるのは、見る時間が長い人ほど集中や睡眠に関する指標がよくない傾向がある、というところまでです。だからこそ、自分の生活で試して確かめる価値があります。
Day0:始める前の準備

直近1週間の平均視聴時間を記録する
iPhoneならスクリーンタイム、AndroidならDigital Wellbeingで、アプリごとの1日の平均利用時間を確認し、メモしておきます。これが14日後に比べる「スタート地点」です。
「空いた時間で何をしたいか」を3つ書き出す
減らした時間に何をするかが決まっていないと、別のアプリに流れるだけになりがちです。「10分散歩する」「本を15分読む」「腕立てを20回」など、すぐできることを3つ書き出しておきます。
14日プラン

| 期間 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| Day1〜3 | アプリごとに使用時間の上限を設定 | 初日は平均の7割程度から |
| Day4〜6 | ホーム画面から外し、通知をオフ | アプリは削除しない |
| Day7 | 週次チェック① | 視聴時間・寝た時刻・集中度 |
| Day8〜10 | スマホをベッドに持ち込まない | 充電は寝室の外で |
| Day11〜13 | 置き換え習慣を始める | きっかけと行動をセット |
| Day14 | 週次チェック②と継続ルール | 残すのは1〜2個だけ |
自分の生活に合わせて、期間は前後させてかまいません。
Day1〜3:アプリごとに使用時間の上限を設定
いきなりゼロを目指すと続きません。Day0で調べた平均の7割程度を上限にします。1日90分見ていたなら、まずは60分前後です。
Day4〜6:ホーム画面から外し、通知をオフ
アプリは削除せず、ホーム画面から外してフォルダの奥や検索でしか開けない場所に移します。通知もオフに。「なんとなく開く」きっかけを減らすのが目的です。
Day7:週次チェック①
1日の視聴時間、寝た時刻、日中の集中度(自分の感覚で5段階)をメモします。数字が思ったほど変わっていなくても、記録を続けていること自体が前進です。
Day8〜10:スマホをベッドに持ち込まない
充電器を寝室の外に移し、目覚ましは別に用意します。寝る前の過ごし方は朝のだるさを減らす睡眠ルーティンも参考にしてください。
Day11〜13:置き換え習慣を始める
Day0で書き出した行動を、「夕食のあと」「ベッドに入る前」などのきっかけとセットにします。読書なら忙しい男性のための1日15分の読書習慣で紹介しているように、1日15分からで十分です。目が疲れている夜は、耳で聴くオーディオブックも選択肢になります。
目の代わりに耳で読む:audiobook.jp
- プロのナレーターや声優が本を読み上げる「耳で聴く本」
- 聴き放題プランでは対象作品を何冊でも聴ける
- オフライン再生に対応。通信環境を気にせず聴ける
- 再生速度は0.5〜4倍速まで調整できる
- 聴き放題プランには無料体験あり(期間・料金・対象作品は公式サイトで確認)
Day14:週次チェック②と継続ルール
2回目のチェックをして、14日間で試したことのうち「続けられそうなもの」を1〜2個だけ残します。途中で見すぎた日があっても、Day1からやり直す必要はありません。翌日から続きを再開すれば大丈夫です。
無料で使える時間管理ツール

スマホに最初から入っている機能を中心に紹介します(2026年11月時点の情報)。
1. iPhoneのスクリーンタイム(無料)
アプリごとの利用時間の確認、「App使用時間の制限」、休止時間の設定ができます。iPhoneの「設定」に入っている機能なので、ダウンロードは不要です。

画像:Appleサポート公式サイトより
2. AndroidのDigital Wellbeing(無料)
アプリタイマーやおやすみ時間モードで、使いすぎと寝る前のスマホを減らせます。Androidの「設定」から使えます(機種によって表示名が異なる場合があります)。

画像:Androidヘルプ公式サイトより
[無料]AndroidのDigital Wellbeing(公式)
3. Forest(無料)
スマホを触らずにいた時間だけ画面の木が育つ集中タイマーアプリです。無料で始められ、一部の機能は有料です(ストアの表示を確認してください)。

画像:Forest公式サイトより
シーン別:ついショート動画を開いてしまう場面の対策
寝る前のベッド
いちばん時間が延びやすい場面です。Day8〜10の「ベッドに持ち込まない」に加えて、スクリーンタイムの休止時間や、Digital Wellbeingのおやすみ時間モードを寝る30分前から始まるように設定しておくと、開いても画面が切り替わります。
通勤電車
「何もしない時間」が苦手な人ほど、つい開いてしまいます。乗る前に、読む記事や聴くポッドキャストを1つだけ決めておくと、ショート動画を開くきっかけが減ります。
仕事の休憩中
休憩の5分のつもりが20分になりやすい場面です。タイマーを5分にセットしてから開く、席を立って飲み物を取りに行くなど、「終わり」を先に決めておきます。
食事中
スマホを裏返してテーブルの端に置くか、別の部屋に置きます。食事の時間を「スマホを見ない時間」に決めると、1日のなかに見ない時間を確保しやすくなります。
14日間の記録シート例
Day7とDay14の週次チェックでは、次のような表に書き込むと変化がわかりやすくなります。ノートでもスマホのメモでもかまいません。
| 日 | 視聴時間 | 寝た時刻 | 集中度(1〜5) | メモ |
|---|---|---|---|---|
| Day0 | 90分 | 1:30 | 2 | 平均を確認 |
| Day3 | 65分 | 1:00 | 3 | 上限で1回止まった |
| Day7 | 55分 | 0:40 | 3 | 通知オフが効いた |
| Day10 | 45分 | 0:10 | 4 | 充電を寝室の外へ |
| Day14 | 40分 | 0:00 | 4 | 読書15分が続いた |
数字は記入例です。結果には個人差があります。
集中度は、自分の感覚で「1:まったく集中できない」から「5:とても集中できた」までの5段階で十分です。完璧に記録しようとせず、思い出せる範囲で書きましょう。
設定の場所:iPhoneとAndroid
iPhone
「設定」→「スクリーンタイム」から、「App使用時間の制限」でアプリやカテゴリごとの上限を、「休止時間」で寝る前に使えるアプリを限定する時間帯を設定できます。詳しい手順はAppleの公式ガイドで確認してください。
Android
「設定」→「Digital Wellbeingと保護者による使用制限」から、アプリごとのタイマーや、おやすみ時間モードを設定できます。メーカーや機種によってメニューの名前や場所が異なることがあるので、見つからないときは設定画面の検索を使いましょう。
YouTube・SNSアプリ側の機能も確認する
アプリによっては、利用時間のリマインダーなど独自の機能を持っているものもあります。ショート動画にも効くかどうかはアプリやバージョンによって違うので、実際に設定して動作を確かめてから使ってください。
週末に崩れないための工夫
平日はうまくいっても、予定のない週末に一気に見てしまうことはよくあります。
- 午前中に1つ予定を入れる:散歩、ジム、買い物など、家を出る用事を1つ決めておく
- 週末用の上限を別に決める:平日より少し長めでもかまわないので、上限そのものはなくさない
- 見たい動画は「まとめて見る時間」を決める:夕方の30分など、時間を区切って楽しむ
- 夜更かしした翌日も、起きる時刻はなるべく変えない:生活リズムが崩れると、翌週の月曜にひびきやすい
週末に見すぎてしまっても、月曜からまた平日の上限に戻せば大丈夫です。14日間は「失敗しないこと」ではなく、「戻り方を覚えること」が目的です。
続かない人のよくある失敗

- ゼロを目標にする:反動で見すぎやすくなります。まずは7割から。
- 上限に達したらその場で解除する:解除する前に「本当に今見たいか」を10秒考えるだけでも変わります。
- 置き換える行動を決めていない:空いた時間は別のアプリに流れやすいので、Day0のリストを手元に置いておきましょう。
よくある質問
アプリを削除したほうが早いのでは?
削除が合う人もいますが、連絡や仕事でアプリを使っている人は、削除してもすぐ入れ直してしまいがちです。この記事では、使い方を選び直すことを目的に「削除しない」方法をとっています。
長い動画やゲームならいい?
今回紹介した研究はショート動画を対象にしたもので、ほかのコンテンツについては同じことが言えるかわかりません。どんなコンテンツでも、寝る時間や仕事の集中に影響していると感じたら、同じ手順で上限を決めてみてください。
上限を何度も解除してしまう
解除してしまう時間帯を記録してみましょう。多くの場合、寝る前など特定の場面に偏っています。その場面だけ、スマホを別の部屋に置くなど、設定ではなく環境で対策するほうが続きやすいです。
14日でどれくらい変わる?
変化の大きさには個人差があり、決まった効果を約束することはできません。大切なのは、Day0とDay14の記録を比べて、自分に合った方法を見つけることです。
家族やパートナーと一緒に取り組んでもいい?
一緒に取り組むと、続けやすいと感じる人もいます。たとえば「食事中はお互いスマホを置く」「寝室には持ち込まない」など、家のルールを1つだけ決めてみましょう。相手に強制するのではなく、自分が試していることを共有する程度にとどめると、負担になりにくいです。
仕事でショート動画を見る必要がある
仕事で使う時間と、自分の楽しみで見る時間を分けて考えます。仕事用のアカウントやブラウザで見る、作業時間を決めてタイマーをかけるなど、区切りをつけておくと、そのまま見続けてしまうのを防ぎやすくなります。
14日が終わったら、そのあとは?
Day14で残した1〜2個のルールを、そのまま1か月続けてみます。月に1回、Day7やDay14と同じように視聴時間と寝た時刻を確認すると、気づかないうちに元に戻っていないかを確かめられます。視聴時間が増えていたら、Day1〜3の上限設定からもう一度始めれば大丈夫です。一度身につけた手順なので、1回目より短い期間で戻せる人も多いはずです。焦らず、自分のペースで少しずつ続けてみてください。
生活への支障が続くときは

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保することをすすめています(厚生労働省「睡眠対策」)。眠れない状態や、仕事・生活への支障が続く場合は、ひとりで抱え込まず医療機関や相談窓口に相談してください(こころの耳「良質な睡眠をとる」)。
まとめ
「ドパガキ」は診断名ではなく、ショート動画との付き合い方を見直すきっかけになる言葉です。研究からわかるのは、見る時間と集中・睡眠のあいだに関連があるところまで。
だからこそ、14日間で上限設定 → 通知とホーム画面の整理 → ベッドに持ち込まない → 置き換え習慣を試し、自分に合うものを1〜2個残してみてください。効果の感じ方には個人差がありますが、「やめる」ではなく「選んで使う」状態に近づくはずです。