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12月は忘年会、年末の締切、出張が重なる時期。「この時期だけは寝込むわけにはいかない」と感じている人も多いはずです。
2026年は、インフルエンザの流行入りが8月下旬と、感染症法が施行された1999年以来、2009年に次いで2番目の早さでした(JIHS IDWR・厚生労働省Q&A)。この記事では、厚生労働省とJIHS(国立健康危機管理研究機構)の情報をもとに、仕事を止めずに続けられる「5つの習慣」と、元気なうちに決めておく「休む基準」と引き継ぎ計画をセットで紹介します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。
この記事の結論(3行)
- 2026年は流行入りが早かった年。10月は第41週をピークに第42週は減少したが、地域差があり、今後の「二つ目の山」の可能性も指摘されている。
- 習慣は5つ:睡眠の下限、湿度50〜60%、手洗い、少しずつの常時換気、ワクチン接種の検討。
- 「休む基準」と「1枚引き継ぎシート」を元気なうちに作り、チームと共有しておく。
目次
- 1 2026年のインフルは「早い」:今季の流行状況を3分で把握する
- 2 なぜ年末、「休めない男」ほど体調を崩しやすいのか
- 3 防衛ライン①睡眠:削る前に「下限」を決めておく
- 4 防衛ライン②湿度50〜60%:自宅・職場・ホテルで保つ
- 5 防衛ライン③手洗い:「仕事の動線」に組み込む
- 6 防衛ライン④換気:冬でも寒くなりにくい窓の開け方
- 7 防衛ライン⑤ワクチンを「検討」する:時期・費用・相談先
- 8 「無理して出社しない」判断:休む基準は元気なうちに決める
- 9 引き継ぎ計画:自分が抜けても仕事が回る仕組みをつくる
- 10 12月を乗り切る週別プラン
- 11 流行状況の確認と仕組み化に使える無料ツール4選
- 12 インフルエンザ予防と休む判断でよくある質問
- 13 まとめ:習慣と「休む準備」をセットで
- 14 参考資料
2026年のインフルは「早い」:今季の流行状況を3分で把握する

夏の終わりに「流行入り」した今季
2026年第34週に全国の定点当たり報告数が1.11となり、流行入りしました(JIHS IDWR 2026年第35号)。厚労省のQ&Aでも、例年の流行シーズンは12月〜3月だが、今年は8月28日に流行入りを公表したと説明されています(厚労省Q&A Q4)。
10月の推移:第42週は3週ぶりに減少
厚生労働省の発表では、全国の定点当たり報告数は第40週11.35、第41週12.81、第42週(10月12日〜18日)9.08でした(厚労省「インフルエンザの発生状況について」2026年10月23日)。全国では減少に転じましたが、地域差はあります。住んでいる都道府県や勤務地の数字も確認しましょう。第43週分は10月30日に公表予定です。
| 週 | 期間 | 定点当たり報告数(全国) |
|---|---|---|
| 第34週 | 2026年8月中旬 | 1.11(流行入り) |
| 第40週 | 9月28日〜10月4日 | 11.35 |
| 第41週 | 10月5日〜11日 | 12.81 |
| 第42週 | 10月12日〜18日 | 9.08(前週から減少) |
※出典:JIHS IDWR 2026年第35号、厚生労働省「インフルエンザの発生状況について」(2026年10月23日)。数値は2026年10月26日時点。最新情報は厚生労働省・JIHSの週次発表をご確認ください。
流行の中心はA(H1N1)pdm09。「二つ目の山」の可能性も
JIHSの速報では、2026年第27〜37週に報告されたウイルスの94.5%がA(H1N1)pdm09亜型でした。また、昨シーズンのような二峰性の流行となる可能性や、今後A(H3N2)亜型やB型が増加する可能性にも触れています(JIHS IASR速報 2026年10月16日)。「秋に流行したからもう大丈夫」とは言い切れません。
なぜ年末、「休めない男」ほど体調を崩しやすいのか

忘年会・会食で「人との距離が近い時間」が増える
厚労省は、流行時に人混みや繁華街への外出を控えることや、換気の重要性を予防策に挙げています(厚労省Q&A Q14)。混み合う店で長時間過ごす場面が増えるのが年末です。忘年会の会話のコツは年末の飲み会の雑談術もどうぞ。
締切前に「睡眠」から削ってしまう
忙しい時期ほど、睡眠時間が調整弁になりがちです。
出張・移動で生活リズムと環境が変わる
移動中の人混み、ホテルの乾燥した空気、不規則な食事と睡眠。どれも普段の習慣が崩れやすい要因です。
| 年末の予定 | 増えやすい状況 | 先回りの一手(例) |
|---|---|---|
| 忘年会・会食 | 混雑した店内/長時間の会話/帰宅が遅くなる | 翌朝の起床時刻を固定/帰宅後すぐ手洗い/体調が悪い日は早めに欠席連絡 |
| 年末の締切 | 睡眠時間の圧縮/長時間の在席 | 「睡眠の下限」を先に決める/締切の前倒しと引き継ぎ準備 |
| 出張・帰省 | 移動中の人混み/ホテルの乾燥/生活リズムの乱れ | アルコール手指消毒剤を携帯/客室の加湿/連絡先を事前確認 |
防衛ライン①睡眠:削る前に「下限」を決めておく

厚労省も「十分な休養」を予防策の一つに
厚労省のQ&Aは、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけるよう呼びかけています(厚労省Q&A Q14)。
締切週の「睡眠下限ルール」の作り方
「何時に寝ても起床時刻は固定」「会食の翌日は○時間を下回らない」など、自分で下限を決めておきます。具体的な時間は生活に合わせて自分で決め、仕事は「睡眠を確保した残りの時間で組む」発想に切り替えましょう。朝のだるさ対策は朝の疲れを残さない睡眠ルーティンでも紹介しています。
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防衛ライン②湿度50〜60%:自宅・職場・ホテルで保つ

なぜ「湿度」なのか
厚労省は、空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下し、急性呼吸器感染症にかかりやすくなるとし、乾燥しやすい室内では加湿器などで適切な湿度(50〜60%)を保つことも効果的としています(厚労省Q&A Q14)。
自宅:まず温湿度計で「見える化」
感覚ではなく数字で管理します。寝室と仕事部屋に1つずつ置き、加湿器は壁やカーテンから離して使いましょう。
職場・ホテル:持ち運べる工夫
卓上加湿器やこまめな水分補給など。ホテルの加湿器の貸し出しは施設によって異なるため、予約時に確認しておくと安心です。
上げすぎにも注意
湿度が高すぎると結露やカビの原因になりやすいので、「50〜60%」の範囲を目安にしましょう。
防衛ライン③手洗い:「仕事の動線」に組み込む

厚労省が「対策の基本」と位置づける理由
流水と石けんによる手洗いは、手指についた病原体を物理的に除去するために有効な方法で、感染症対策の基本とされています。インフルエンザウイルスにはアルコール製剤(エタノール濃度80%前後)による手指衛生も効果があると説明されています(厚労省Q&A Q14)。
手は「目・鼻・口」への運び屋になる
台湾の衛生福利部疾病管制署も、ウイルスが付いた物に触れた手で口や鼻、目を触ることで感染しうると説明しています(衛生福利部疾病管制署)。
1日の中に手洗いポイントを決めておく
出社直後/共用のPCや会議室を使った後/食事・会食の前/帰宅直後/鼻をかんだ後。洗えない場面は携帯用のアルコール手指消毒剤で補います。
防衛ライン④換気:冬でも寒くなりにくい窓の開け方

冬でも「少しだけ・常に」
厚労省は、季節を問わず十分な換気が重要だとしています(厚労省Q&A Q14)。冬は窓を全開にするより、少しだけ開けて常に空気を入れ替えるほうが室温の変化を抑えやすくなります。
窓開けのコツ
対角線上の窓やドアを2か所開けると、空気が流れやすくなります。暖房器具を使う場合は、燃えやすい物から離して置きましょう。
職場で「換気しよう」と言い出しにくいときは
「会議室を使った後は窓を開ける」など、チームのルールとして提案すると角が立ちにくくなります。
防衛ライン⑤ワクチンを「検討」する:時期・費用・相談先

接種のタイミング
厚労省は、例年12月〜3月頃に流行し1月末〜3月上旬にピークを迎えることから、12月中旬までに接種を終えることが望ましいとしています(厚労省Q&A)。今季は流行入りが早かったため、早めにかかりつけ医などに相談するのも一つの方法です。
今季の供給量
今シーズンのインフルエンザワクチンの供給予定量は約5,190万回分と見込まれています(厚労省Q&A・JIHS IDWR)。
費用と予約の確認先
20〜40代の任意接種の費用は医療機関によって異なります。勤務先の補助や職域接種の有無は社内で確認しましょう。接種するかどうか・いつ受けるかは、医療機関で相談してください。
「無理して出社しない」判断:休む基準は元気なうちに決める

なぜ「元気なうち」に決めるのか
体調が悪い朝は判断力も落ち、「行けそう」と考えがちです。基準を先に決めて上司と共有しておけば、迷う時間を減らせます。米CDCも、組織に対して、病気のときは休むよう勧め、有給休暇や柔軟な休暇・テレワーク制度を整えることを挙げています(CDC)。
| 区分 | 状態の例 | その日の行動(例) |
|---|---|---|
| 赤 | 発熱がある/急に全身のだるさが出た | 出社しない。上司に連絡し、医療機関へ相談 |
| 赤(急ぐ) | 呼吸が苦しい/意識の状態がおかしい/高熱が続く | 早めに医療機関を受診。緊急時は119番 |
| 黄 | のどの違和感・軽い咳・いつもと違う疲れ | 在宅勤務への切り替えを相談/会食は見送る |
| 緑 | 症状なし | 通常勤務。5つの習慣を続ける |
※これは判断の目安の一例で、医学的な基準ではありません。症状がある場合や不安な場合は医療機関に相談してください。
どのくらい休む? 国内外の「目安」
厚労省のQ&Aでは、インフルエンザは発症前日から発症後3〜7日間ウイルスを排出するといわれ、特に発症後1〜3日間は排出量が多いため外出を控える必要があるとしています(厚労省Q&A Q18)。社会人に一律の法的な基準はないため、職場の規程と医師の指示に従いましょう。
| 機関 | 目安の内容(要約) |
|---|---|
| 厚生労働省(日本) | 発症後1〜3日間は特に外出を控える。解熱後もウイルスを排出するといわれる |
| 米CDC | 症状が全体として改善し、解熱剤なしで24時間以上発熱がなければ通常の活動へ。その後5日間は追加の予防策 |
会社に証明書を求められたら
厚労省のQ&Aは、急性呼吸器感染症で欠勤・復帰する従業員に、職場がり患証明書や治癒証明書などの提出を求めることについての考え方を示しています(Q19・Q20)(厚労省Q&A)。会社とのやり取りは就業規則に沿って進めましょう。
引き継ぎ計画:自分が抜けても仕事が回る仕組みをつくる

年末前に作る「1枚引き継ぎシート」
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 進行中の案件 | 案件名・現状・次の一手 |
| 締切 | 社内締切/顧客締切(日付) |
| 関係者 | 担当者名・連絡手段 |
| ファイルの場所 | 共有フォルダのパス・最新版の目印 |
| 任せてよい判断の範囲 | 代行者が決めてよいこと/自分の確認が必要なこと |
| 代行者 | 第一候補・第二候補 |
| 緊急時の連絡ルール | 休んでいる本人に連絡する条件 |
在宅勤務へ切り替えられる準備
PCの持ち帰り可否、社外からのアクセス手段、必要な権限を元気なうちに確認しておきます。在宅中の体の動かし方は在宅勤務の運動習慣も参考にどうぞ。
休む連絡のテンプレート
「発熱があるため本日は休みます。急ぎの○○は△△さんに引き継ぎシートを共有済みです。受診後に状況をご連絡します」。短く、引き継ぎ先と次の連絡予定を入れます。
12月を乗り切る週別プラン

忘年会・会食がある週
前日の睡眠を確保/会食の前後に手洗い/体調が「黄」なら見送る。
締切が重なる週
睡眠の下限を守れる計画に組み直す/引き継ぎシートを最新化/換気・加湿の習慣を崩さない。
出張・移動がある週
移動中の手指衛生、ホテルの乾燥対策、体調を崩したときの連絡先を事前に確認。海外出張なら渡航先の情報も確認しましょう。たとえば台湾は秋冬に流行しやすく、流行のピークは12月〜翌年3月が多いと疾病管制署が説明しています(衛生福利部疾病管制署)。
流行状況の確認と仕組み化に使える無料ツール4選
いずれも無料で使えます(通信料などは別)。
1. 厚生労働省「インフルエンザの発生状況」
毎週の全国・都道府県別の定点当たり報告数を発表しています。

画像:厚生労働省公式サイトより
2. JIHS「IDWR過去10年との比較グラフ」
今季の推移を過去のシーズンと比べて見られます。

画像:JIHS公式サイトより
3. 厚生労働省「今冬の急性呼吸器感染症(ARI)総合対策」
予防策やQ&A、相談窓口など、今冬の公式情報がまとまっています。

画像:厚生労働省公式サイトより
4. Google ドキュメント
1枚引き継ぎシートのテンプレートを作ってチームと共有できます(Googleアカウントが必要)。

画像:Google ドキュメント公式サイトより
インフルエンザ予防と休む判断でよくある質問
Q. 社会人がインフルエンザ予防でまず優先すべきことは?
厚労省は、手洗い、適度な湿度(50〜60%)、十分な休養と栄養、流行時の人混みを避けること、換気などを予防策に挙げています。忙しい時期は、睡眠の下限を決めることと、手洗いのタイミングを仕事の流れに組み込むことから始めるのが現実的です。
Q. 2026年のインフルエンザはなぜ流行が早いのですか?
JIHSの速報では、免疫が十分でない人が一定程度いた可能性や、抗原性の変化が推察される変異ウイルスの出現などが要因として考えられるとされていますが、原因は一つに特定されていません。
Q. 職場に加湿器がない場合はどうすればいいですか?
卓上加湿器を使う、こまめに水分をとる、換気と組み合わせるなどの工夫があります。職場全体の環境は総務部門などに相談してみるのも一つの方法です。
Q. 熱が下がったら翌日から出社してもいいですか?
社会人に一律の法的な基準はなく、職場の規程と医師の指示に従うのが基本です。厚労省は、解熱後もウイルスを排出するといわれるとしています。
Q. 風邪かインフルエンザか、自分で見分けられますか?
症状だけで他の感染症と見分けるのは難しいとされています。気になる症状があれば医療機関に相談してください。
Q. 体調が微妙なとき、忘年会は欠席すべきですか?
体調に不安がある日は無理をせず、早めに欠席の連絡を入れるのがおすすめです。

まとめ:習慣と「休む準備」をセットで

まとめ
- 今日からできる5つの習慣:睡眠の下限/湿度50〜60%/手洗いを動線に/少しずつ常時換気/ワクチン接種を医療機関で相談。
- 「休む基準」と「1枚引き継ぎシート」は元気なうちに作り、上司・チームと共有。
- 高熱が続く、呼吸が苦しいなどの症状があれば、早めに医療機関へ。
流行状況は週ごとに変わります。最新情報は厚生労働省・JIHSの発表で確認してください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。流行状況の数値は2026年10月26日時点のものです。
参考資料
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「2026年夏季におけるインフルエンザの流行入りとインフルエンザウイルスについて」IASR速報(2026年10月16日)
- JIHS「IDWR 2026年第35号<注目すべき感染症>インフルエンザ」
- 厚生労働省「インフルエンザの発生状況について」(2026年10月23日、第42週)
- 厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
- 厚生労働省「令和8年度 今冬の急性呼吸器感染症(ARI)総合対策」
- JIHS「IDWR過去10年との比較グラフ(インフルエンザ)」
- CDC “Preventing Spread of Respiratory Viruses When You’re Sick”(2025年8月18日)
- 衛生福利部疾病管制署(台湾)「季節性流感 疾病介紹」