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乾杯のあと、何を話せばいいか分からない。2次会の空気が読めず、気づけば終電ギリギリ——年末が近づくと、毎年このモヤモヤがよぎる人も多いはずです。
ホットペッパーグルメ外食総研の調査(2025年10〜11月、全国20〜60代1,035人)では、会社・仕事関係の忘年会に「参加したい」(「どちらかというと」を含む)人は全体で36.9%。年代別では30代43.0%、20代41.8%と、若い世代のほうが前向きでした(ホットペッパーグルメ外食総研)。本音は「行きたくない」でも「行きたい」でもなく、疲れずに参加したいではないでしょうか。
この記事では、忘年会の雑談が苦手な20代・30代男性に向けて、行く・断る・2時間で帰るの判断軸、安全な話題の3レーン、質問から入る会話の型、断り方と退席フレーズ、ノンアルの選び方、雑談力を伸ばす振り返り習慣をまとめました。雑談がうまい人は才能ではなく、型と反復を持っているだけ。自信は鍛えられるスキルです。
この記事の結論(3行)
- 参加は「フル/2時間/不参加+別の接点」の3段階で自分で決める。
- 話題は食べ物・季節・趣味の3レーン。面白い話より、いい質問。
- 退席時刻は始まる前に決め、幹事に一言。翌日のお礼で締める。
目次
忘年会の雑談が苦手なのは、あなただけじゃない|データで見る本音

行きたくない理由の1位は「気を遣って疲れるから」
「Pontaリサーチ」調べ(ロイヤリティ マーケティング、2026年7月、20〜61歳1,002人)では、仕事関係の飲み会に参加したくない理由は、すべての世代で「気を遣って疲れるから」が1位でした。2位の「自分の時間を優先したいから」は、若手層(20〜30歳)で47.3%です(ロイヤリティ マーケティング)。
消耗の正体は「気遣いの総量」。この記事のテーマは、その気遣いを型で減らすことです。
実は20代の6割以上が「雑談はしたい」
マイナビ キャリアリサーチLabによると、20代正社員の63.4%が、業務と直接関係のない何気ない会話(インフォーマルコミュニケーション)を取りたいと回答しました。理由の1位は「相談や助け合いがしやすくなるから」50.5%です(マイナビ キャリアリサーチLab)。雑談そのものが嫌いなのではなく、やり方が分からないだけかもしれません。
「どうせ浮いてる」は思い込みかもしれない
会話のあと、人は「相手が自分をどれくらい好意的に見ていたか」を実際より低く見積もりがちだ、という研究があります(Boothby et al., 2018)。帰り道の反省会で自分を下げすぎる必要はありません。消耗した日の切り替え方はモヤモヤを引きずらないためのストレスとの付き合い方も参考にしてください。
今週やること:今年の忘年会の予定を書き出す。
「行く・断る・2時間で帰る」を自分で決める判断フレーム

行く価値のある場を見極める3つの質問
- 誰に会える? 普段話せない部署の人、お世話になった先輩など「年内に会っておきたい人」がいるか。
- 何を持ち帰りたい? 関係づくり、情報収集、料理を楽しむ——目的が1つあれば十分です。会社の忘年会の参加目的では「普段食べられない贅沢な料理を食べる」が4位に入っています(ホットペッパーグルメ外食総研)。
- 体力・予算・翌日の予定は? 無理をして行くなら、時間を区切るか断る。
参加レベルを3段階で設計する
| 場の種類 | おすすめ | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 部署・チーム全体の忘年会 | B:1次会のみ | 顔を出す価値は大。2時間で十分 |
| お世話になった人の送別を兼ねる会 | A:フル参加も検討 | 節目の会は記憶に残りやすい |
| 取引先が同席する会 | B(退席時刻を事前に共有) | 最初の30分の挨拶を優先 |
| 当日・直前の急な誘い | B or C | 予定があれば無理しない |
| 2次会・3次会 | 目的で判断 | 目的がなければ1次会で締める |
A=フル参加、B=1次会のみ・2時間で帰る、C=不参加+ランチや仕事納めのあいさつなど別の形で関係づくり、です。
「2時間で帰る」は少数派のわがままではない
同じホットペッパーグルメ外食総研の調査では、会社の忘年会で望ましい時間帯は「18時〜19時ごろ開始、21時ごろ解散」が61.5%で1位でした(ホットペッパーグルメ外食総研)。若手層が参加しやすい条件の1位は「会費が安い」36.2%です(「Pontaリサーチ」調べ)。幹事を任されたら、会費・時間・飲酒を前提にしない雰囲気を自分でデザインできます。
今週やること:今年の忘年会ごとに、A・B・Cのどれで行くかを決める。
角が立ちにくい、職場の飲み会の断り方

基本は「感謝+短い理由+代案」
長い言い訳はかえって不自然です。理由は1文、代案を添えると「関係を切りたいわけではない」が伝わります。
「誘っていただいてありがとうございます!その日は先約があって今回は見送ります。年明けにランチでもぜひ」
シーン別・そのまま使える断りフレーズ
| 相手・場面 | フレーズ |
|---|---|
| 上司から | 「お声がけありがとうございます。今回は都合がつかず失礼します。今年は本当にお世話になったので、仕事納めの日に改めてご挨拶させてください」 |
| 同僚から(チャット) | 「誘ってくれてありがとう!今回はパスで。また今度ランチ行こう」 |
| 当日の急な誘い | 「今日は予定があって、すみません!次は早めに教えてもらえたら調整します」 |
上の世代も、実は誘いにくいと感じている
「Pontaリサーチ」調べでは、仕事関係の飲み会について「誘うことはない」と答えた人がすべての世代で4割を超え、誘いにくい相手として最も多く挙がったのは「20代」でした(ロイヤリティ マーケティング)。断ること自体より、そのあと関係をどうつくるかが大事です。
理由を盛らない——一貫性が信頼になる
体調不良などの作り話は、あとで辻褄合わせが必要になり、かえって消耗します。「今回は見送ります」で十分です。
今週やること:断るときの定型文を1つ、スマホのメモに保存する。
雑談の型①|安全な話題の「3レーン」(食べ物・季節・趣味)

なぜこの3つなのか
マイナビ キャリアリサーチLabによると、20代正社員が職場で抵抗感なく話せる話題は「食事や飲み物」61.7%、「天候や季節」61.4%、「趣味や娯楽」56.5%が上位でした。一方、部下がいる30代の役職者の22.2%が部下との雑談に取りづらさを感じており、理由は「話題選択の難しさ」35.2%、「プライベートの話題に触れることへのためらい」34.2%でした(マイナビ キャリアリサーチLab)。
安全な話題を自分から差し出せる人は、上司にとってもありがたい存在です。これが「合わせすぎずに存在感を出す」の具体的な形です。
| レーン | 話題の例 |
|---|---|
| 1. 食べ物 | 「これ何の出汁ですかね?」「このお店、誰が見つけたんですか?」 |
| 2. 季節 | 「年末年始はどう過ごすんですか?」「今年いちばん印象に残ってることは?」 |
| 3. 趣味 | 「最近、週末に銭湯めぐりしてます」(自分の入り口を1行で用意) |
避けたほうが無難な話題
年収・お金、恋愛・結婚・子どもの予定、容姿、政治・宗教、その場にいない人のうわさ。相手が自分から話した場合だけ、深追いせず聞き役に回ります。
今週やること:3レーンのネタを1つずつ、メモアプリに書いておく。
雑談の型②|「質問から入る」と、存在感は自然に出る

質問する人は好かれやすいという研究
ハーバード大学の研究チーム(Huang et al., 2017)は、会話の中で質問、とくに相手の話を受けた「フォローアップ質問」を多くする人ほど、相手から好かれやすい傾向を示しました(Harvard DASH)。「面白い話をしなきゃ」を「いい質問をすればいい」に置き換えましょう。
型:観察 → 質問 → 深掘り → ひとこと自己開示
- 観察:「乾杯、ビール以外の人も意外と多いですね」
- 質問:「〇〇さんは普段何を飲むんですか?」
- 深掘り:「それ、ハマったきっかけは何だったんですか?」
- 自己開示:「自分は最近〜で」と1〜2文だけ返し、相手にボールを戻す
そのまま使えるフォローアップ質問
- 「それって、どういうところが面白いんですか?」
- 「最初は何がきっかけだったんですか?」
- 「初心者が始めるなら何からですか?」
- 「来年はどうしたいんですか?」
- 「おすすめを1つだけ教えてください」
質問攻めにしない・相づちマシーンにならない
質問だけが続くと尋問のように感じられることもあります。2〜3往復ごとに自分の話を少し混ぜましょう。同意だけで終わらず「自分は〜派です」と小さな意見を1つ持っていくのが、人に合わせすぎない存在感です。
今週やること:フォローアップ質問を3つ覚える。
お酒は「自分で決める」|ノンアルの選択肢と自然な言い方

飲まない・少なめも、自分で選んでいい
厚生労働省は2024年2月に「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。お酒に含まれる純アルコール量に着目して自分に合った飲酒量を決めること、他人に無理な飲酒を勧めるのは避けるべきことが書かれています(厚生労働省)。ここでは「量や飲まない選択を自分で決めていい」という根拠として紹介します。
乾杯からノンアルで入る一言
「最初からウーロン茶でいきます!」「今日はノンアルで乾杯させてください」——最初に宣言すると、その後に勧められにくくなります。ノンアルビール、ジンジャーエール、炭酸水など、グラスの見た目が近いものを選ぶのも手です。
勧められたときのかわし方
「ありがとうございます、今日はこれでいきます」と笑顔で短く。台湾の衛生福利部 国民健康署も、勧酒の断り方として「お茶やソフトドリンクで代わりに付き合う」「飲まないと正直に伝える」などを紹介しています(衛生福利部)。海外勤務や出張先の宴席でも使える考え方です。
今週やること:乾杯の一言を決めておく。
2時間で気持ちよく帰る|きれいな退席の型

退席は「始まる前に」決めておく
開始2時間後を自分の退席時刻にして、カレンダーに「退席〜帰宅」の予定を入れ、15分前に通知が来るようにしておきます(下の無料ツール参照)。
退席前の3ステップ
- 幹事に事前に一言(「21時で失礼します」)
- 会費は先に精算
- 近くの人と幹事に挨拶して退席
| 場面 | フレーズ |
|---|---|
| 1次会で帰る | 「今日はありがとうございました!明日早いので、ここで失礼します」 |
| 話した相手に | 「〇〇さんの話、面白かったです。続きはまた今度聞かせてください」 |
| 2次会の誘い | 「1次会で全力出し切りました(笑)。また来年ぜひ!」 |
翌日の一言で印象を締める
幹事や話した相手に「昨日はありがとうございました」と一言。短く帰っても、関係づくりはここで完結します。
今週やること:次の飲み会の退席時刻を決め、カレンダーに入れる。
自信は鍛えるスキル|雑談力の鍛え方と振り返り習慣

評価軸は「うまく話せたか」ではなく「型を1回使えたか」
主観の反省より、事実ベースの振り返りが役に立ちます。
録音アプリで「自分の話し方」を振り返る
帰り道に、今日の振り返りを30秒だけ声に出して録音します。自己紹介や「趣味の1行」を事前に録って聞き返す練習もおすすめです。飲み会の会話そのものを無断で録音しないのはマナーとして守りましょう。
3行振り返りメモ
①よかった質問 ②次に試したい話題 ③退席はスムーズだったか——メモアプリに3行だけ残し、次の飲み会の前に読み返します。
本番前の30秒ルーティン
会場に入る前に自分なりのスイッチを持っておくと、気持ちを切り替えやすくなります。本番前に姿勢を整えるパワーポーズのやり方も参考にどうぞ。疲れた日は反省会ではなくリセットを。疲れた日のストレスとの向き合い方もあわせて読んでみてください。
今週やること:帰り道に30秒の振り返りを録音する。
忘年会の準備と振り返りに使える無料ツール
どれも基本機能は無料で使えます。
1. ボイスメモ(iPhone標準アプリ)
帰り道の30秒振り返りや、自己紹介の練習を録って聞き返すのに。Androidは端末に入っている標準の録音アプリを使えます。

画像:App Store「ボイスメモ」より
2. Google カレンダー
忘年会の予定に「退席バッファ」を追加し、退席15分前に通知を設定できます。

画像:Google カレンダー公式サイトより
3. Google Keep
話題3レーンのネタ帳、フォローアップ質問リスト、3行振り返りメモに。

画像:Google Keep公式サイトより
4. Google マップ
終電や帰りのルートを事前に調べ、退席時刻を逆算できます。

画像:Google マップ公式サイトより
忘年会の雑談でよくある質問
Q. 忘年会を断ると、職場で浮きませんか?
上の世代も若手を誘いにくいと感じているという調査があります(「Pontaリサーチ」調べ)。感謝+短い理由+代案で断り、ランチや仕事納めのあいさつなど別の接点をつくれば、関係は保ちやすくなります。
Q. お酒が飲めない・飲みたくないと、場がしらけませんか?
乾杯の時点で「今日はノンアルで」と宣言すると、その後は勧められにくくなります。厚生労働省のガイドラインも、自分に合った飲酒量を決めることや、無理な飲酒を勧めないことに触れています。
Q. 雑談が続かず沈黙になったら?
目の前の料理の話(レーン1)に戻るか、「今年いちばん印象に残ったことは?」のような質問を1つ用意しておきましょう。
Q. 1次会だけで帰るのは失礼?
会社の忘年会は「21時ごろ解散」が望ましいという人が多数派でした(ホットペッパーグルメ外食総研)。事前に幹事へ一言伝え、翌日にお礼を言えば十分です。
まとめ|今年の忘年会は「自分で決める」練習の場

今日からできる5つのチェックリスト
- 今年の忘年会を書き出し、A・B・Cを決めた
- 話題3レーンのネタを1つずつメモした
- フォローアップ質問を3つ覚えた
- 退席時刻をカレンダーに入れ、幹事に一言伝えた
- 帰り道に30秒の振り返りを録る
忘年会は「我慢する場」でも「避ける場」でもなく、自分のペースで人と関わる練習の場です。1回で完璧を目指さず、型を1つ試すだけでいい。自信はその積み重ねで育ちます。
参考資料
- ホットペッパーグルメ外食総研「令和版・理想の忘年会調査」(2026年1月9日)
- ロイヤリティ マーケティング「世代別の飲み会意識に関する調査」(2026年8月18日)
- マイナビ キャリアリサーチLab「若手社員の“飲み会離れ”は本当か?」(2025年11月21日)
- 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
- Huang et al. (2017) It Doesn’t Hurt to Ask: Question-Asking Increases Liking
- Boothby et al. (2018) The Liking Gap in Conversations
- 衛生福利部 國民健康署(台湾)勧酒の断り方に関する発表(2023年5月9日)