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通勤がなくなって楽になった。けれど気づけば、1日ほとんど歩いていない。夕方になると肩と腰が重い——在宅勤務やハイブリッド勤務の20代・30代なら、思い当たる人も多いはずです。
株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると、テレワーク経験者の69.1%が今後もテレワークを続けたいと答える一方、テレワークの困りごとの1位は「運動不足になる」34.9%でした(ネオマーケティング調査レポート)。働き方は手放したくない。でも体の負担は残っている、という状態です。
「運動しなきゃ」とは思っている。でも「Pontaリサーチ」調べでは、運動したいのに始められていない男性の理由1位は「きっかけがなく、後回しになっている」39.6%でした。この記事では、きっかけを待たずに済む仕組み——1日15分を週3回、曜日と時間を固定し、いつもの行動にくっつけて記録する方法——を、厚生労働省のガイドと最新の調査をもとに紹介します。
本記事は日常の運動習慣づくりに関する一般的な情報で、病気の予防や治療を目的としたものではありません。持病や痛みがある人、医師から運動を制限されている人は、始める前に医師に相談してください。
この記事の結論(3行)
- テレワークは続けたい、でも困りごと1位は運動不足(34.9%)。
- 男性は「きっかけ待ち」で後回しにしがち。だから運動を「予定」にしてしまう。
- 曜日・時間を固定し、最初の会議前かログオフ直後にくっつけ、○△×で記録する。
目次
テレワークは定着した。その代わり「体がなまる」が最大の困りごとに

テレワーク継続希望は69.1%、フルリモートは22.6%
ネオマーケティングの調査(2026年10月2日公表/全国20歳以上のテレワーク経験者1,000人/調査期間2026年8月27〜28日)では、テレワークの実施頻度は次のとおりでした(PR TIMES)。
| 実施頻度 | 割合 |
|---|---|
| 週5日以上(フルリモート) | 22.6% |
| 週3〜4日 | 16.7% |
| 週1〜2日 | 22.4% |
| 月に数回 | 12.2% |
今後も続けたいかには「そう思う」41.3%、「ややそう思う」27.8%で、合わせて69.1%。出社と組み合わせる働き方が、すっかり普通になっています。
困りごと1位は「運動不足」34.9%。続くのは「オン・オフの切り替え」
| テレワークの困りごと(上位) | 割合 |
|---|---|
| 運動不足になる | 34.9% |
| オン・オフの切り替えが難しい | 32.5% |
| 光熱費の負担が増える | 30.5% |
通勤がなくなったことで、「体を動かす理由」と「仕事の区切り」が同時に消えた——と整理すると分かりやすいです。後半で紹介する「ログオフ直後の15分」は、この2つにまとめて手を打つ工夫です。
20代・30代は「在宅の日のほうが集中できる」——だから座りっぱなしになる
株式会社LASSIC テレリモ総研の調査(2026年10月16日公表/テレワーク経験者1,007名/調査期間2026年9月2〜3日)では、「業務集中度」でテレワーク日の方が良いとした回答は20代47.3%、30代45.4%でした。「業務効率」でも、30代はテレワーク日の方が良い44.9%に対し、出社日の方が良い22.2%です(出典:株式会社LASSIC/PR TIMES)。
ここからは筆者の解釈ですが、集中できる日ほど、気づけば何時間も立ち上がっていないものです。集中できる在宅日だからこそ、「動く予定」を先に入れておく価値があります。
国のガイドも「在宅勤務の増加」に触れている
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、在宅勤務の増加などによる生活様式の変化で、身体活動量が減少しやすい社会環境にあると記載しています。同ガイドに掲載された国民健康・栄養調査(平成25年)では、平日1日の総座位時間を8時間以上と答えた男性は38%でした(厚生労働省 PDF)。
男性が運動を始めない理由の1位は「きっかけがない」

男性39.6%が「きっかけがなく後回し」——女性1位の「疲れ」とは違う
ロイヤリティマーケティングの「運動習慣に関する調査」(「Pontaリサーチ」調べ/2026年10月7日公表/20〜69歳1,000名/調査期間2026年9月2〜3日)で、運動したいのに始められていない人の理由を聞くと、男性1位は「運動を始めるきっかけがなく、後回しになっているから」39.6%、2位は「疲れていて運動する気になれないから」29.2%でした。女性の1位は「疲れ」43.6%です(PR TIMES)。
※この設問の回答者は229人(うち男性96人)と母数が小さいため、傾向として読んでください。なお同調査で、現在運動している人は40.9%、運動の機会や時間を増やしたい人は60.4%でした。
ジムを目標通りに使えているのは29.6%
株式会社G-FIVEの「働きながらの運動習慣と健康維持」に関する調査(2025年8月4日公表/2025年6月25日実施/1,000人)では、将来の健康面に不安を「とても感じる」27.7%、「やや感じる」57.9%。一方でジムを「目標通りに活用できている」のは29.6%で、通えない理由は「仕事が忙しく時間が確保できない」50.5%、「費用が高い」44.3%、「疲れて気力が出ない」40.5%でした(PR TIMES)。
※対象は「ジム利用を検討中、または通っている20〜30代の男性会社員」で、運動への関心が高めの層です。また2025年8月公表と、ほかの調査より古い点に注意してください。
場所を確保しても続かない人は少なくありません。足りないのは場所より、時間の確保と始める合図です。
「きっかけ」は待っても来ない。だから先に“予定”にする
同じPontaリサーチで、運動を始める・増やすきっかけの上位は「体力の衰えを感じること」41.7%、「体重や体型の変化」38.4%、「健康診断の結果や体調の変化」31.0%でした。多くの人にとって、きっかけは「何かが起きてから」やってきます。起きる前に始めるいちばんの近道は、きっかけを自分で作る=カレンダーに置くことです。
なぜ「1日15分×週3」なのか——公的ガイドから逆算する

厚労省の目安:成人は「1日60分の身体活動」「息が弾む運動を週60分」「筋トレ週2〜3日」
| 厚労省ガイド2023(成人) | 推奨の目安 |
|---|---|
| 身体活動 | 歩行またはそれと同等以上を1日60分以上(1日約8,000歩以上) |
| 運動 | 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上 |
| 筋力トレーニング | 週2〜3日 |
| 座位行動 | 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意 |
ガイド全体の方向性は「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」「今よりも少しでも多く体を動かす」です。
15分×3回=週45分。目安の“手前”から始めて習慣を固める
週45分は、「週60分」の目安にはまだ届きません。あえて届かない量から始め、習慣が固まった5週目以降に1回20分へ伸ばすなどして、週60分に近づける段階設計です。同ガイドのQ&Aでは、運動の最短持続時間や「週3回以上でなければ」といった決まりは示されていません。15分×週3のうち2回を自重の筋トレ中心にすれば、「筋トレ週2〜3日」の目安とも重なります。
海外の公的機関も「分けて積み上げる」考え方
WHOは2020年に「身体活動及び座位行動に関するガイドライン」を公表し、成人の中強度の身体活動や筋力強化活動、座位時間を減らすことを推奨しています(WHO)。台湾の衛生福利部 國民健康署は2024年3月4日の発表で、1日30分の運動は15分×2回や10分×3回に分けてもよいと紹介し、会社員向けに午前・午後に15分ずつ体操やストレッチをする方法も挙げています(衛生福利部)。日本・WHO・台湾のいずれも、「まとまった時間がなくても、区切って積み上げる」考え方は共通しています。
始める前に:その日の体調をチェックする
持病がある、痛みがある、医師から運動を制限されている場合は、始める前に医師に相談してください。熱がある、睡眠不足で体調が悪いなど、厚労省ガイドの運動前チェック項目に1つでも当てはまる日は休みましょう。
続けるコツ①:曜日と時間を「固定」する

続いている人の工夫、1位は「曜日や時間を決めている」43.8%
Pontaリサーチで、現在運動している人(409人)に続けられている理由や工夫を聞くと、1位は「運動する曜日や時間を決めている」43.8%でした。毎回「今日やるか」を考えると、そのたびにきっかけが必要になります。決めておけば判断は要りません。
おすすめの固定パターン
| 働き方 | 固定する枠の例 |
|---|---|
| フルリモート | 月・水・金の同じ時刻 |
| ハイブリッド(在宅3日) | 在宅日に固定。出社日は休みでOK |
| ハイブリッド(在宅2日) | 在宅2回+土日どちらか1回 |
時刻は「毎回同じ」が最優先です。最初の2週間は中身より、枠を守ることだけを目標にしましょう。
STEP1:Google カレンダーの「定期的な予定」で枠を作る
予定名は「MOVE 15」など短く。通知は5分前に。仕事用カレンダーに入れる場合は、公開設定を「予定あり」だけが見える形にしておくと、中身を知られずに枠を守れます。

画像:Google カレンダー ヘルプ公式サイトより
今週やること:カレンダーに週3回の「MOVE 15」を繰り返し予定で登録する。
続けるコツ②:いつもの行動に「くっつける」——最初の会議前/ログオフ直後

「起床後・帰宅後など毎日の行動とセット」25.4%
Pontaリサーチの「続けられている工夫」には、「起床後や帰宅後など、毎日の行動とのセット」25.4%も入っています。在宅勤務の人には通勤という合図がありません。代わりに、毎日欠かさず起きる「最初の会議」と「ログオフ」を合図にします。
| パターン | 流れ | 向いている人 |
|---|---|---|
| A:最初の会議の15分前 | PCで予定確認 → 15分動く → 水を飲んで会議へ | 朝型。会議が締め切りになり、だらだら延びない |
| B:ログオフ直後 | PCを閉じる → 着替える → 15分 → シャワー | 夜型。仕事の区切り(オン・オフの切り替え)も作れる |
朝がつらい人は、まず睡眠と朝のルーティンから整えるのも一つの手です。
STEP2:15分メニュー例(器具なし・6畳でOK)
| 時間 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 0〜3分 | ウォームアップ(その場足踏み・肩回し) | いきなり強度を上げない |
| 3〜7分 | ラジオ体操第1(約3分) | 厚労省ガイドのメッツ表で4.0 |
| 7〜13分 | スクワット→腕立て伏せ(膝つき可)→プランク 各1分×2周 | 回数ではなく時間で区切る |
| 13〜15分 | クールダウン(ストレッチ) | 息を止めずに行う |
集合住宅ならジャンプ系は入れず、夜はヨガマット1枚で足音対策を。物足りなくなったら、ラジオ体操第2に替える、筋トレを3周にするなど、回数より時間で調整します。ラジオ体操は、かんぽ生命の無料「ラジオ体操アプリ」で動画を見ながらできます。

画像:App Store「ラジオ体操アプリ」より
今週やること:「最初の会議前」か「ログオフ直後」か、どちらにくっつけるかを今日決める。
続けるコツ③:「短くていい」と決めて、記録する

「短時間でもよい」42.1%、「自宅や近所で」39.4%、「休む日も設ける」28.6%
Pontaリサーチの「続けられている工夫」の2位以下です。続いている人は、量よりも「やめない仕組み」を優先していると読めます。
STEP3:記録は○△×の3択だけ——厚労省の記録シート方式
厚生労働省の「身体活動量アップで健康づくり!私のアクティブプラン」の記録シートは、計画に対して達成○/半分達成△/未達成×をつける方式です(厚生労働省 PDF)。ポイントは「△」を許すこと。ラジオ体操1本だけの日も△として残せば、記録が途切れません。スマホ派は、カレンダーの予定名を「MOVE 15 ○」に書き換えるだけでもOKです。

画像:厚生労働省公式サイトより
4週目に一度だけ見直す
見直すのは「続かなかった曜日」と「時間帯」だけ。中身より枠を先に調整します。なおPontaリサーチでは、運動している人ほど心身の状態を肯定的に捉える割合が高い結果でしたが、調査元自身が「運動による影響を直接示すものではありません」と注記しています。
習慣化を支える無料ツール

どれも無料で、今日から使えます(通信料などは別)。
1. ラジオ体操アプリ(かんぽ生命)
ラジオ体操第1・第2の動画を見ながら体操でき、カメラで撮るとAIが採点。スタンプや過去の点数の記録もできます。契約の有無にかかわらず、だれでも無料で使えます(2025年11月1日提供開始)。

画像:App Store「ラジオ体操アプリ」より
2. Google カレンダー
「定期的な予定」で月・水・金などの固定枠を毎週自動で入れられます。Googleアカウントがあれば無料です。

画像:Google カレンダー公式サイトより
3. 厚生労働省「私のアクティブプラン」記録シート
○△×の記録と目標設定に使える無料PDF。冊子は40〜74歳の保健指導向けですが、記録シート部分は誰でも使えます。

画像:厚生労働省公式サイトより
4. iPhone「ヘルスケア」(標準アプリ)
iPhoneに最初から入っている無料アプリ。在宅日と出社日の歩数の差を見える化できます。Androidは各社の標準アプリやGoogle Fitを使いましょう。

画像:Apple公式サイトより
家で「始める合図」が欲しい人は:SOELU(ソエル)
- ヨガ・トレーニング・ピラティスなど100種類以上のオンラインレッスンを、スマホ・タブレット・PCから受けられる(公式サイトより)
- レッスンは早朝5時台から24時台まで開講。ライブレッスンは予約時刻が「始める合図」になる(※自社調べ・2025年1月時点)
- ライブレッスンではお客様同士の姿は見えない仕組み。ビデオレッスンはどのプランでも受け放題(公式サイトより)
料金・トライアル・解約の条件は申し込み前に公式サイトで確認してください(2026年10月時点)。運動の効果や体の変化を保証するものではありません。
冬を「始める理由」にする——11月スタートの8週間プラン

寒さと日の短さで、散歩や外出のハードルが上がる季節です。屋内で完結する15分なら天気に左右されません。年末年始で生活リズムが崩れる前に“型”を作っておく、という実利的な理由もあります。
| 期間 | テーマ | やること |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 枠を守る | 曜日・時間を固定。中身はラジオ体操だけでもOK |
| 3〜4週目 | くっつける | 会議前かログオフ直後かを確定。4週目の終わりに一度だけ見直し |
| 5〜6週目 | 少しだけ上げる | 筋トレを2周→3周、または1回20分へ |
| 7〜8週目 | 崩れ対策 | 年末年始は「ラジオ体操だけ版」に切り替え、△で記録を残す |
習慣ができたら、次はジムや本格的な筋トレへ。関心がある人は筋トレの基本やジム通いを始める前に知っておきたいこともどうぞ。
テレワークの運動不足でよくある質問
Q. たった15分で意味はありますか?
厚労省のガイドは運動の最短持続時間や最低頻度を定めておらず、「今よりも少しでも多く」を基本としています。感じ方には個人差があるため、まず続けることを優先し、慣れたら時間や回数を増やしましょう。
Q. 朝と夜、どちらにやるのがいいですか?
続けやすい方です。最初の会議やログオフなど、毎日欠かさず起きる行動にくっつけられる方を選びましょう。
Q. 出社日はどうすればいいですか?
通勤で歩いている日は休みにしてOKです。余裕があれば一駅分歩く、階段を使うなど、生活の中の活動で足しましょう。
Q. 疲れている日はどうしますか?
体調チェックで当てはまる項目があれば休みます。そうでなければラジオ体操1本だけ(△)でも記録を残しましょう。
Q. 最初からジムに通ったほうがいいですか?
目的次第です。ジムを目標通り活用できている人は約3割という調査もあるため、まず自宅で習慣の型を作ってから検討する方法もあります。

まとめ:「きっかけ」を待たず、カレンダーに15分を置く

まとめ
- テレワークは続けたい人が69.1%、でも困りごと1位は運動不足(34.9%)。
- 男性は「きっかけ待ち」で後回しにしがち(39.6%)。
- 曜日固定+くっつけ+○△×の記録で、きっかけを自分で作る。
今日やることは3つだけ。①カレンダーに週3回の「MOVE 15」を登録、②ラジオ体操アプリを入れる、③記録シートを印刷(またはカレンダーの予定名で記録)。冬は「始める理由」になります。まずは今週の1回目だけ決めてしまいましょう。
参考資料
- 株式会社ネオマーケティング「テレワークの実態と定着に関する調査」(2026年10月2日)
- 株式会社ネオマーケティング 調査レポート
- 株式会社LASSIC テレリモ総研「テレワーク日と出社日の比較に関する調査」(2026年10月16日)
- 株式会社ロイヤリティマーケティング「運動習慣に関する調査」(Pontaリサーチ、2026年10月7日)
- 株式会社G-FIVE「働きながらの運動習慣と健康維持」に関する調査(2025年8月4日)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- 厚生労働省「身体活動量アップで健康づくり!私のアクティブプラン」
- 株式会社かんぽ生命保険「ラジオ体操アプリ」の提供開始(2025年11月1日)
- Google カレンダー ヘルプ「定期的な予定を作成する」
- WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour (2020)
- 衛生福利部 國民健康署(2024年3月4日)