本を読まなくなった20代・30代男性へ|読書週間から始める“1日15分”の読書習慣

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「最近、本を1冊も読み切れていない」。そう感じている社会人は、決して少数派ではありません。文化庁の調査では、1か月に1冊も本を読まない人が6割を超えています。

この記事では、10月27日から始まる「読書週間」をきっかけに、冊数ではなく“1日15分”という時間で読書習慣を取り戻す方法をまとめました。やる気に頼らず、毎日の「きっかけ」に読書を紐づけるのがポイントです。

この記事でわかること

  • 社会人の「読書離れ」を公的データで確認(責める話ではありません)
  • 2026年・第80回読書週間(10/27〜11/9)を「お試し14日間」にする方法
  • 研究から見た習慣化のコツ(if-thenプラン)と、生活パターン別の15分の置き場所
  • 14日間チャレンジのカレンダーと、続けるための無料ツール

目次

「最近、本を読み切れていない」は珍しくない|数字で見る社会人の読書離れ

1か月に読む本の冊数を示す横棒グラフ(文化庁 令和5年度)

文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」(全国16歳以上、有効回答3,559人)では、1か月に読む本(電子書籍を含み、雑誌・漫画は除く)が「読まない」と答えた人は62.6%でした。前回の平成30年度は47.3%ですが、調査方法が面接から郵送に変わったため、文化庁は「比較には注意が必要」としています。

20代・30代は約65%。年代・男女で大きな差はない

同調査の報告書を年齢別に見ると、「読まない」は20代65.1%、30代65.0%、40代61.5%。報告書自体も「年齢別、性・年齢別に見ると、余り差は見られない」とまとめています。

男性だけで見ると、20代64.9%、30代62.8%、40代64.7%(男女計・性別とも報告書の図4より)。男性全体は62.4%、女性全体は62.7%で、「男性だけが読んでいない」わけではありません。性・年齢別は回答者数が少ない層もあるので、傾向として受け取ってください。

区分 1か月に「読まない」 回答者数
全体(16歳以上・男女計) 62.6% 3,559人
20〜29歳(男女計) 65.1% 258人
30〜39歳(男女計) 65.0% 380人
40〜49歳(男女計) 61.5% 577人
男性・20〜29歳 64.9% 111人
男性・30〜39歳 62.8% 164人

出典:文化庁「令和5年度『国語に関する世論調査』報告書」図4。雑誌・漫画は除く。

減った理由の上位は「スマホ等」と「仕事の忙しさ」

「読書量は減っている」と答えた人(69.1%)に理由を聞くと、「情報機器(スマートフォン等)で時間が取られる」43.6%、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」38.9%が上位でした。20〜30代では情報機器が6割台、20〜40代では仕事の忙しさが6割台です。

つまり「読まない=意欲がない」ではなく、時間の取り合いに負けている状態に近い。だから必要なのは根性ではなく、時間の置き場所を決めることです。

海外でも同じ流れ|米国では娯楽目的の読書が20年で約4割減

米国の時間利用調査を分析した研究(Bone et al., iScience, 2025)では、1日に娯楽目的で読書する人の割合が約20年で約4割減ったと報告されています(UCLの解説記事より)。米国のデータなので日本とそのまま比べられませんが、「読書の時間がスマホなどと競合している」のは世界的な傾向の一例と言えそうです。

読書週間とは?|2026年は第80回・10月27日〜11月9日

秋の夕方、自宅の机で本を開く男性の斜め後ろ姿

読書週間は、終戦まもない1947年に出版社・取次・書店・公共図書館、新聞・放送機関が協力して始めた行事です。第1回は11月17日からの1週間でしたが、第2回から文化の日をはさむ10月27日〜11月9日の2週間になりました(主催:公益社団法人 読書推進運動協議会)。

初日の10月27日は「文字・活字文化の日」

読書週間が始まる10月27日は、「文字・活字文化の日」にも定められています。始めるきっかけとしては、ちょうどいい日です。

2026年の標語は「静かだけど、冒険中。」

読書推進運動協議会が発表した2026年・第80回読書週間の標語は「静かだけど、冒険中。」。標語募集(応募663作品)の入選作です。外から見れば静かに座っているだけでも、頭の中では遠くへ旅をしている。そんな読書の感覚を表した言葉です。

14日間を「お試し期間」にする

「一生続ける」と決めると重くなります。まずは読書週間の2週間だけ。期間が決まっていると始めやすく、終わったあとに「続けるか、形を変えるか」を落ち着いて決められます。イベントに参加する必要はありません。

なぜ「1日15分」なのか|ハードルを下げる設計

1日15分を14日・66日続けた場合の合計時間の計算例

「月1冊」より「毎日15分」のほうが迷いが少ない

冊数の目標は、読み終わるまで達成感がありません。時間の目標なら「今日は15分やった」でその日が完結します。分厚い本でも、読むのが遅くても関係ありません。

15分でどれくらい進む?|計算例

期間 合計時間 仮に1分1ページ 仮に1分0.5ページ
1日 15分 約15ページ 約7〜8ページ
読書週間14日 210分(3.5時間) 約210ページ 約105ページ
66日(研究の平均的な目安) 990分(16.5時間) 約990ページ 約495ページ
1年(365日) 5,475分(約91時間) 約5,475ページ 約2,740ページ

※仮定の計算例です。読むスピードは本の種類や人によって大きく違い、この数字を約束するものではありません。

0冊→1冊がいちばん大きな一歩

大事なのは量より「途切れない仕組み」です。14日間で薄めの1冊を読み切れたら、それで十分なスタートです。

習慣化は「やる気」より「きっかけ」|研究から分かっていること

きっかけ・行動・記録の3ステップで回す読書習慣のループ図

習慣とは「きっかけ→行動」が自動化されたもの

ロンドン大学(UCL)のLallyらの研究(2010)では、参加者が「朝食のあとに水を飲む」のように、毎日のきっかけに新しい行動を紐づけて続け、どれくらいで自動的になるかを調べました。

「66日」は平均的な目安。個人差は18〜254日

自動化までの期間は平均66日でしたが、人によって18日から254日まで大きな幅がありました。行動の難しさでも変わります。66日はあくまで平均的な目安で、誰でもその日数で習慣になるわけではありません。

1日休んでも大きな影響はなかった

同じ研究では、1回やらなかった日があっても、習慣化の過程に大きな影響は見られませんでした。完璧主義で「1日抜けたから終わり」と投げ出すのがいちばんもったいない。ただし、休みが続いて不規則になると定着しにくくなる点は覚えておきましょう。

「もし〜したら、〜する」if-thenプラン

Gollwitzer & Sheeran(2006)のメタ分析では、「いつ・どこで・何をするか」をif-then形式で決めておくこと(実行意図)と目標達成の間に、中程度から大きめのプラスの関連が見られました。例:「電車で座ったら、スマホより先に本を開く」。効果には個人差や条件差があります。

15分をどこに置く?|生活パターン別の「読書スロット」

7時から24時のタイムラインに配置した生活パターン別の読書スロット
タイプ きっかけ(if) 行動(then) 向いている媒体
通勤電車派 電車に乗ったら 最初の15分は本を開く 文庫・新書/電子書籍
在宅勤務派 始業前にコーヒーを淹れたら PCを開く前に15分読む 紙の本
夜型派 歯みがきが終わったら スマホを置いて15分読む 紙の本
子育て・繁忙期派 昼休み・移動・入浴前 5分×3回に分けて読む 電子書籍/オーディオブック

通勤電車派:乗ったら最初の15分は本

座れたら文庫や新書、立っているなら片手で読めるスマホの電子書籍。SNSを開くのは15分読んだあと、と順番を決めるだけです。

在宅勤務派:始業前・昼休み明けの15分

PCで仕事と同じ画面を見続けると切り替えにくいので、紙の本や別の端末を使うのも一つの方法です。

夜型派:寝る前のSNSを15分だけ本に置き換える

ここでの狙いは、寝る前のスマホ時間を見直すきっかけを作ることです。睡眠への効果をうたうものではありません。

子育て・繁忙期派:5分×3回でもOK

まとまった15分が取れない時期は分割で構いません。合計で読んだら「今日読んだ」にカウントします。

スマホ時間との付き合い方|「やめる」より「先に本」

テーブルに伏せたスマートフォンと開いた本、コーヒー

スマホを「手の届かない場所」に置く15分

スマホをやめる必要はありません。15分だけカバンの中や別の部屋に置く。物理的な距離がいちばん効きやすい工夫です。

スクリーンタイム/Digital Wellbeingで使い方を見える化

iPhoneのスクリーンタイム、AndroidのDigital Wellbeingは、OSに付いている無料の機能です。どのアプリに何分使っているかを見ると、「15分を移せそうな時間帯」が見つかります。

スマホで読むのも立派な読書

文化庁の同調査では、電子書籍を利用する人は40.3%。そのうち「電子書籍の方が多い」は40.5%、「電子書籍しか読まない」は7.9%でした(いずれも雑誌・漫画を含む設問)。媒体にこだわる必要はありません。著作権の切れた作品を無料で読める青空文庫も入口になります。

挫折しない本の選び方|最初は「読み切れる1冊」

気になることから最初の1冊のジャンルを選ぶフローチャート

最初の1冊の条件|薄い・章が短い・いま興味がある

「名著」より「今の自分に関係ある本」。200ページ前後で、1章が短く区切られている本だと、15分でも区切りよく読めます。

目的別ジャンルの選び方

目的 ジャンル例 最初の1冊の条件 注意点
仕事の悩みを整理したい ビジネス書・新書 章ごとに完結、図解が多い 「◯日で年収UP」系の誇張タイトルは避ける
自分を見つめ直したい エッセイ・自己理解系 1章が短く、体験談中心 断定的な心理・医療の主張が多い本は慎重に
気分転換したい 小説(短編集) 1話20〜30ページ程度 長編シリーズは2冊目以降に
読み方から学びたい 読書術・勉強法 実践ワーク付き 読書術の本だけで止まらない

合わなければ閉じてOK|「途中でやめる」ルール

50ページ読んで合わなければ、次の本へ。読み切れなかった本は「失敗」ではなく「今の自分には合わなかった」という情報です。

紙・電子書籍・オーディオブックの使い分け

文庫本、タブレット、ワイヤレスイヤホンを並べた物撮り
項目 紙の本 電子書籍 オーディオブック
向く場面 自宅・カフェ・図書館 通勤・スキマ時間 移動・家事・運動中
持ち運び かさばる スマホ1台 スマホ+イヤホン
メモ・線引き しやすい ハイライト機能 基本は不向き
無料で始める方法 図書館で借りる 青空文庫・図書館の電子書籍サービス 無料作品・無料体験(条件は各社で確認)

紙の本:集中しやすく、メモしやすい

付箋や書き込みができ、ページの位置で内容を思い出しやすいのが紙の良さです。

電子書籍:通勤やスキマ時間の味方

スマホ1台で完結し、文字の大きさも変えられます。

オーディオブック:移動や家事の時間に

「読書に含めるか」は人それぞれです。この記事では、本の内容に触れる時間として15分に含めて構いません。

図書館の電子書籍サービスも選択肢

電子書籍の貸出をしている公共図書館もありますが、導入状況は自治体ごとに異なります。お住まいの図書館サイトで確認してください。

読書週間14日間チャレンジ|1日15分の実行プラン

10月27日から11月9日までの14日間チャレンジ・カレンダー
Day 日付 やること(各15分) チェック
Day1 10/27(火) 本を1冊選ぶ/1ページ開く □
Day2 10/28(水) 15分読む(場所は自由) □
Day3 10/29(木) 15分読む □
Day4 10/30(金) if-thenプランを1行で書く □
Day5 10/31(土) 週末版の15分(朝がおすすめ) □
Day6 11/1(日) 15分読む □
Day7 11/2(月) 決めた時間・場所で15分 □
Day8 11/3(火・文化の日) 図書館や書店へ行ってみる □
Day9 11/4(水) 読後に1行メモ □
Day10 11/5(木) 1行メモ □
Day11 11/6(金) 1行メモ □
Day12 11/7(土) 1週間分のメモを見返す □
Day13 11/8(日) 続いた時間帯・続かない理由を確認 □
Day14 11/9(月) 振り返り+次の1冊を決める □

Day1〜3:本を選び「開くだけ」でOK

最初の3日は、1ページでも開けば達成です。

Day4〜7:15分を決まった時間・場所に固定

if-thenプランを1行で書いて、スマホのメモやカレンダーに入れておきます。

Day8〜11:読んだら「1行メモ」

印象に残ったことを自分の言葉で1行。うまく書く必要はありません。

Day12〜14:振り返りと次の1冊

続いた時間帯、続かなかった理由、合っていた媒体を確認します。14日後は「66日」を一つの目安に、続けやすい形へ調整していきましょう。

記録と振り返りで「続けている自分」を見える化する

本の横でメモ帳に1行メモを書く男性の手元

読書記録アプリで冊数・ページを残す

読書メーターやブクログのような記録サービスを使うと、読んだページや冊数が積み上がって見えます(下の無料ツール参照)。

1行感想テンプレート

  • 今日読んだ範囲でいちばん残ったこと:___
  • 明日やってみる小さなこと:___

人に話すと続けやすいと感じる人も

読書会やビブリオバトルなど、読書週間中は各地の図書館で行事が開かれています。開催状況はお住まいの自治体・図書館サイトで確認してください。

「自分との約束を守れた」という実感

15分を守れた日が増えると、「決めたことをやれた」という小さな実感につながることがあります。それが仕事や生活の別の場面でも動く材料になるかもしれません。

無料で使える読書サポートツール(5つ)

読書メーター、ブクログ、カーリル、青空文庫、スクリーンタイム/Digital Wellbeingの無料ツール紹介カード

いずれも基本無料で使えるサービスです(有料プランがあるものは、無料の範囲を公式で確認してください)。合うかどうかは人によります。

1. 読書メーター(無料)

読んだ本やページ数を記録でき、読書仲間の感想も読めます。KADOKAWAグループが運営しています。

読書メーターの公式サイト画面

画像:読書メーター公式サイトより

[無料]読書メーター(公式)

2. ブクログ(無料)

本棚の形で読書記録をつけられ、月ごとの冊数も振り返れます。基本無料(有料プランあり)。

ブクログの公式サイト画面

画像:ブクログ公式サイトより

[無料]ブクログ(公式)

3. カーリル(無料)

全国の図書館の蔵書と貸出状況をまとめて検索できます。「借りて読む派」の入口に。

カーリルの公式サイト画面

画像:カーリル公式サイトより

[無料]カーリル(公式)

4. 青空文庫(無料)

著作権が切れた作品などを無料で読めます。短編からスマホで始めたい人に。

青空文庫の公式サイト画面

画像:青空文庫公式サイトより

[無料]青空文庫(公式)

5. スクリーンタイム(iPhone)/Digital Wellbeing(Android)(無料)

OS標準の無料機能で、アプリごとの使用時間を確認できます。「15分の置き場所」探しに。iPhoneは設定アプリ内の機能なので、ダウンロード用バッジは付けていません。

スクリーンタイム(iPhone)とDigital Wellbeing(Android)を紹介する、時計アイコン入りの無料ツールバナー

[無料]スクリーンタイム(iPhone)/Digital Wellbeing(Android)(公式)

[無料]Android:Digital Wellbeing の使い方(Google ヘルプ)

よくある質問(FAQ)

読書習慣に関するよくある質問7つのQ&Aカード

Q1. 1日15分で意味はありますか?

成果を約束するものではありませんが、「読まない日」をなくすための最小単位として設計しています。14日続ければ合計210分です(上の計算例を参照)。

Q2. 漫画や雑誌は読書に入りますか?

文化庁の調査の冊数は雑誌・漫画を除く定義です。ただ、自分の15分に含めるかどうかは自由に決めて構いません。

Q3. オーディオブックは読書ですか?

定義は人によって違います。この記事では、本の内容に触れる時間として15分に含めてよいと考えています。

Q4. 読むのが遅いのですが大丈夫?

時間で区切るので、速さは関係ありません。ページ数より続いた日数を見てください。

Q5. 何日続けたら習慣になりますか?

Lallyらの研究では平均66日でしたが、18〜254日と個人差が大きく出ています。日数より、毎日の「きっかけ」を固定することを優先しましょう。

Q6. 読んでもすぐ忘れてしまいます

1行メモを書く、人に話す、気になった章だけ読み返す、の3つを試してみてください。

Q7. どうしても15分取れない日は?

「1ページだけ開く」を最低ラインにします。翌日に再開できれば十分です。

まとめ|読書週間は「静かな再スタート」の2週間

夕暮れの窓辺で本を閉じて前を向く男性の後ろ姿

今日やること3つ

  1. 1冊選ぶ(薄い・章が短い・いま興味がある)
  2. 15分の時間と場所を決める
  3. if-thenプランを1行書く

14日後には、続いた時間帯・合っていた媒体・次の1冊を見直しましょう。2026年の読書週間の標語は「静かだけど、冒険中。」。周りからは静かな15分でも、その間に頭の中で遠くまで行けるのが本の面白さです。

あわせて読みたい

参考資料

  1. 文化庁:令和5年度「国語に関する世論調査」報告書
  2. 文化庁:令和5年度「国語に関する世論調査」の結果の概要
  3. 公益社団法人 読書推進運動協議会:読書週間(2026・第80回 標語「静かだけど、冒険中。」・読書週間の歴史)
  4. 公益社団法人 読書推進運動協議会:2026 こどもの読書週間・読書週間 標語募集 結果
  5. UCL News(2025):Proportion of Americans reading for pleasure fell by 40% over 20 years
  6. Bone, J. K., et al.(2025)iScience:The decline in reading for pleasure over 20 years of the American Time Use Survey
  7. Lally, P., et al.(2010)European Journal of Social Psychology:How are habits formed: Modelling habit formation in the real world
  8. Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P.(2006)Advances in Experimental Social Psychology, 38:Implementation intentions and goal achievement: A meta-analysis
  9. 国立国会図書館 カレントアウェアネス・ポータル:文化庁、令和5年度「国語に関する世論調査」の結果を公表

※各資料は2026年10月27日に確認。数値・内容は更新される場合があります。

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