社内AIスキルを「最初の副業1件」に変える30日|就業規則・サンプル3つ・20万円ライン

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会議の議事録をAIで要約して、表の体裁を整えて、メールの下書きを作る。それ、もう毎週やっていませんか。オシジョブ調べ(2026年7月、20〜59歳の会社員291人)では、会社員の50.9%が業務でAIを使っていませんでした。毎週AIで作業しているだけで、実は少数派の側にいます。

この記事では、そのいつもの作業を副業の「最初の1件」にするまでの30日を、順番に整理します。先に言っておくと、「月○万円」の約束、会社に隠す方法、楽して稼ぐ話は扱いません。30日後のゴールは「会社のルールを確認し、1つのサービスと3つのサンプルを用意し、最初の1件に提案している状態」です。

目次

なぜ今、「社内で使っているAIスキル」が副業の入り口になるのか

AI高活用層の73.9%が選択肢が広がったと回答(未活用層6.8%)などオシジョブ調査の結果図

AIを使い込んでいる会社員ほど「選択肢が広がった」と感じている

オシジョブの「AI活用と副業に関する実態調査」(オシジョブ調べ、2026年7月実施・8月発表、20〜59歳の会社員291人)では、AIでツールを作ったり業務フローに組み込んでチームに展開したりしている「高活用層」の73.9%が、転職・副業の選択肢が広がったと答えました。業務でAIを使っていない層では6.8%です。高活用層のうちAI副業に前向き(すでにしている+やってみたい)な人は91.3%、未活用層は33.1%でした。高活用層は回答者の約2割と小さなグループなので、あくまで傾向として受け止めてください。

発注側が求めているのは「AIを既存の仕事に組み込める人」

米Upworkの2026年版レポートでは、既存の仕事にAIを応用するスキルの需要が前年比109%増えました(米国発の発注にもとづく数字で、日本市場のデータではありません)。一方、台湾の1111人力銀行の調査では、AIに置き換えられやすい仕事として翻訳などが上位に挙がっています。AIで文章を出すだけの価値は下がり、確認して整え、使える形で納品するところに価値が残る、と考えるのが自然です。

この記事のスタンス(「AIで月○万」とは違う)

収入は約束しません。30日のゴールは「最初の1件に提案し、できれば納品して実績にする」こと。高額な「AI副業スクール」や「自動で稼げるツール」の勧誘には注意してください。

【Day1〜5】最初に会社のルールを確認する(ここを飛ばさない)

副業の可否・競業・秘密保持・AI利用ルール・労働時間を確認する就業規則チェックリスト

就業規則の「副業・兼業」の条文を読む

厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、原則として副業を認める方向を示しています。ただし、本業に支障が出る、企業秘密が漏れる、会社の名誉を損なう、競業にあたる——といった場合は制限できるとされています。自社が「届出制」「許可制」「禁止」のどれかを確認し、届出・許可が必要なら手続きをしてから始めましょう。厚労省のサイトには届出様式の例も載っています。

秘密保持と競業——「本業の延長」で危ないケース

本業の顧客やその競合からは受注しない。本業で知った情報やノウハウ資料は使わない。本業の勤務時間中や会社のPCで副業の作業をしない。この3つは最低限のラインです。

AIに入れてはいけない情報

個人情報保護委員会は、生成AIに個人情報を含むプロンプトを入力する際の注意を公表しています。勤務先・取引先のデータ、社内資料、顧客の個人情報はAIに入力しないこと。社内で作ったプロンプトやテンプレートも勤務先の資産になりうるので、持ち出さずに一から作り直しましょう。発注者から預かるデータも同じ扱いで、①発注者の許可なくAIに入れない、②入れる場合は学習に使われない設定を確認する、③個人名・連絡先は伏せ字にする、を実務ルールにします。

公務員や一部の職種は別ルール

この記事は民間企業の会社員向けです。公務員は法律で兼業が制限されるため対象外です。

確認すること どこを見るか 注意が必要なサイン
副業の可否と手続き 就業規則の「副業・兼業」条文、社内ポータル 「禁止」「許可制」なのに未申請
競業の制限 就業規則、雇用契約書 本業の顧客・同業他社からの受注
秘密保持 秘密保持誓約書、情報セキュリティ規程 社内資料・社内プロンプトの流用
社内のAI利用ルール 生成AI利用ガイドライン 会社のアカウントやPCでの副業作業
労働時間 就業規則、上長との合意 深夜作業が続き本業に支障

【Day6〜10】いつもの作業を「1つのサービス」に絞る

会議メモの要約やアンケート集計など社内のAI作業を副業サービスに置き換える変換表

毎週AIでやっている作業を書き出す

会議メモの要約、アンケート自由記述の分類、表記ゆれの統一・名寄せ、メールや案内文の下書き、資料のたたき台、英文メールの読み下し——まずは思いつくだけ書き出します。

最初の1件に向く作業を選ぶ4つの基準

①依頼する側が面倒に感じている、②自分で品質を確認できる、③機密データを扱わずに済む、④納期と作業時間が読める。この4つを満たすものを1つ選びます。

サービスを1行で言えるようにする

型は「(誰の)(どんな作業を)(どの形式で)(何日で)」。例:「小規模店舗向けに、アンケートの自由記述を分類してスプレッドシートの集計表にします(3営業日)」。

価格は「相場を見て、時間で検算」

クラウドソーシングで同種の募集を10件ほど見て価格帯をメモし、作業時間+確認時間+修正対応を足して、無理のない価格を決めます。相場は変動するため、この記事では具体的な金額は示しません。

AIを使うことは最初に伝える

案件によってはAIの使用が禁止されています。提案時に「AIで下書き→人が確認・修正」という流れを説明できるようにしておきましょう。

社内でやっている作業 外での依頼の形 納品物 扱いに注意する情報
会議メモの要約 文字起こしの要約・整形 要点付きの議事録 参加者の氏名、社外秘の内容
アンケートの集計 自由記述の分類・集計 集計表とコメント要約 回答者の個人情報
表記ゆれの統一・名寄せ 顧客・商品リストの整理 整えたスプレッドシート 氏名・連絡先(伏せ字で受け取る)
メール・案内文の下書き 告知文・定型文の作成 文例集(複数パターン) 未発表の情報
資料のたたき台 構成案・1枚資料の作成 構成案、スライド下書き 数字の出典

【Day11〜18】実績サンプルを3つ作る

自宅のデスクで印刷したサンプル資料に赤ペンで確認の書き込みをする日本人男性

サンプルは「架空データ」か「公開データ」で作る

会社の資料は絶対に使いません。架空の議事録を自作する、政府統計の総合窓口(e-Stat)や自治体のオープンデータを使う、といった方法で作りましょう。

3つの型をそろえる

①Before/After(整形前と整形後)、②手順書(どこをAIに任せ、どこを人が確認したか)、③納品形式の見本(スプレッドシート、文書、1枚資料)。

「AIの出力そのまま」ではない跡を見せる

数字の検算、事実確認、表記ゆれの修正、出典の明記など、人が手を入れたポイントを注記しておくと、依頼する側が安心できます。

置き場所は無料ツールで十分

Notionやスプレッドシートの公開リンク、Canvaで作った1枚の紹介資料で足ります(後半の無料ツール参照)。

【Day19〜30】クラウドソーシングで最初の1件に提案する

週末のカフェで私物のノートパソコンから案件に提案文を送る20代後半の日本人男性

登録先の選び方

クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどがあります。手数料、本人確認、報酬の受け取り方法は各社の公式ページで確認してください。

プロフィールに書くこと・書かないこと

書く:職種、得意な作業、AIの使い方と確認方法、情報管理の方針、対応できる時間帯。書かない:勤務先の名前、社内の具体的な案件、守秘対象の実績。

提案文の骨子

募集文を読んだ証拠(相手の課題を1文で言い直す)→進め方→納期→サンプルへのリンク→確認したい点、の順で書きます。AIで提案文を大量に作って送るのはやめましょう。

最初は小さい案件を選ぶ

単発・短納期・機密データなし・平日夜か週末で終わる量が目安です。

受ける前に条件を文字で確認する

業務内容、報酬額、支払期日、納品形式、修正回数、AI使用の可否、秘密保持。2024年11月に施行されたフリーランス法では、事業者がフリーランスに業務を委託する際、取引条件を書面やメッセージなどで明示する義務があります(個人の消費者からの依頼は対象外)。

目標は「提案数」で置く

例えばDay19〜30は毎日1件提案。採用されるかは相手次第なので、自分で管理できる行動を目標にします。

無料で始められるツール

対話型AI3種、デザイン・ノート作成ツール、マルチジョブ健康管理ツール、確定申告書等作成コーナーの無料ツール7つ

有料ツールを買う前に、無料プランで「1件納品」までは進められます。無料の範囲や機能は変わることがあるため、2026年10月時点の情報として、利用前に公式サイトで確認してください。

ChatGPT(無料プランあり)

要約・下書き・分類のたたき台に。データが学習に使われる設定を確認し、機密情報は入れないでください。

ChatGPTの公式サイト画面

画像:ChatGPT公式サイトより

[無料プランあり]ChatGPT(公式)

Google Gemini(無料プランあり)

別のAIで結果を見比べ、誤りに気づくために使います。回答が食い違うときは、人が原典を確認しましょう。

Google Geminiの公式サイト画面

画像:Google Gemini公式サイトより

[無料プランあり]Google Gemini(公式)

Microsoft Copilot(無料プランあり)

もう1つのクロスチェック用に。同じ指示で出力を比べると、抜けや思い込みに気づきやすくなります。

Microsoft Copilotの公式サイト画面

画像:Microsoft Copilot公式サイトより

[無料プランあり]Microsoft Copilot(公式)

Canva(無料プランあり)

サンプルの紹介資料1枚や、提案用の画像づくりに。素材ごとの利用条件は確認してください。

Canvaの公式サイト画面

画像:Canva公式サイトより

[無料プランあり]Canva(公式)

Notion(無料プランあり)

ポートフォリオページや案件・納期の管理に。公開ページに個人情報を載せないよう注意しましょう。

Notionの公式サイト画面

画像:Notion公式サイトより

[無料プランあり]Notion(公式)

マルチジョブ健康管理ツール(厚生労働省)(無料)

本業と副業の労働時間や健康状態を自分で記録できるアプリです。働きすぎを防ぐために。

マルチジョブ健康管理ツール(厚生労働省)の公式サイト画面

画像:マルチジョブ健康管理ツール(厚生労働省)公式サイトより

[無料]マルチジョブ健康管理ツール(厚生労働省)(公式)

確定申告書等作成コーナー(国税庁)(無料)

申告が必要になったときに、画面の案内に沿って申告書を作成できます。

確定申告書等作成コーナー(国税庁)の公式サイト画面

画像:確定申告書等作成コーナー(国税庁)公式サイトより

[無料]確定申告書等作成コーナー(国税庁)(公式)

ツール 主な用途 無料で使える範囲 注意点
ChatGPT 要約・分類・下書き 基本的な対話と文章生成 学習利用の設定、機密は入れない
Gemini/Copilot 別AIでのクロスチェック 基本的な対話 違いは人が原典で確認
Googleスプレッドシート データ整理、納品、帳簿 個人のGoogleアカウントで利用可 共有リンクの公開範囲
Canva 紹介資料、提案用の画像 無料テンプレートと素材 素材ごとの利用条件
Notion ポートフォリオ、案件管理 個人利用の基本機能 個人情報を載せない
マルチジョブ健康管理ツール 労働時間・健康の記録 無料アプリ 記録の習慣化
確定申告書等作成コーナー 申告書の作成 無料 申告要否は国税庁で確認

無料の範囲は変わることがあります。利用前に各公式サイトで確認してください。

お金のルール:20万円ラインと住民税

副業所得20万円超・以下での所得税の確定申告と住民税の申告の要否を整理した表

所得税は「副業の所得が20万円を超えたら」確定申告

国税庁の案内(No.1900)では、給与を1か所から受けて年末調整を受けている人は、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。ポイントは「収入」ではなく「所得」(売上−経費)であることです。

20万円以下でも住民税の申告は原則必要

所得税の確定申告が不要でも、市区町村への住民税の申告は原則として必要です(さいたま市の案内など)。お住まいの自治体で確認してください。

初日から売上と経費を記録する

スプレッドシートに日付・取引先・金額・経費・メモを残し、領収書・請求書・メッセージ履歴も保存します。雑所得か事業所得かなど個別の判断は、税務署や税理士に確認しましょう。年末の準備は確定申告の年内準備の記事も参考になります。

ケース(給与1か所・年末調整あり) 所得税の確定申告 住民税の申告
副業の所得が20万円超 必要 確定申告で兼ねる(原則)
副業の所得が20万円以下 原則不要 原則必要(自治体で確認)
副業が雇用契約(アルバイト等)の給与 条件が異なるため国税庁の案内で確認 同左

医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告します。個別の判断は税務署・税理士・自治体に確認してください。

30日ロードマップ一覧

就業規則確認からサービス化、サンプル作成、最初の提案までの30日ロードマップ

期間 やること できあがるもの 確認ポイント
Day1〜5 就業規則を読む、必要なら届出・許可申請 副業してよい範囲のメモ 届出制か許可制か、競業・守秘
Day6〜10 作業の棚卸し、サービスを1つに絞る 1行のサービス説明と価格帯 機密データを扱わない作業か
Day11〜18 架空・公開データでサンプル作成 サンプル3点と紹介ページ 人が確認した跡が見えるか
Day19〜30 登録、プロフィール作成、毎日提案 提案の記録、取れれば最初の1件 条件を文字で確認したか

よくある質問(FAQ)

副業禁止の場合・AI使用の伝え方・20万円以下の申告などAI副業のよくある質問7つ

Q. 就業規則に「副業禁止」と書いてあったら?

A. 無断で始めないでください。人事に確認し、許可制なら申請します。認められない場合は、社内でのスキルアップや資格取得など副業以外の選択肢を検討しましょう。

Q. AIを使っていることは依頼者に伝えるべき?

A. 伝える前提で考えましょう。AIの使用を禁止している案件もあるため、提案時に「AIで下書き、人が確認・修正」と進め方を説明し、可否を確認します。

Q. どのくらいのスキルがあれば始められる?

A. 目安は「社内で毎週やっている作業を、手順として人に説明できる」こと。サンプルを3つ作れれば、提案を始める材料はそろいます。

Q. 月にいくら稼げますか?

A. 案件・時間・相場によって大きく変わるため、この記事では約束しません。30日の目標は金額ではなく「最初の1件に提案し、納品の流れを一度経験する」ことです。

Q. 副業の所得が20万円以下なら、何もしなくていい?

A. 所得税の確定申告は原則不要でも、住民税の申告は原則必要です。売上と経費は初日から記録しておきましょう。

Q. 本業の昼休みや会社PCで作業してもいい?

A. 避けてください。勤務時間中や会社の機器・アカウントでの副業作業は、就業規則や情報管理規程に反するおそれがあります。

Q. 無料プランのAIで作ったものを納品しても大丈夫?

A. 各サービスの利用規約で商用利用の扱いを確認してください。発注者から預かったデータを入力する場合は、事前に許可を取り、学習利用の設定も確認します。

まとめ

朝の窓辺で就業規則の資料を開き、落ち着いて次の一歩を考える日本人男性

最初にやるのは就業規則の確認。次に、いつものAI作業を1つのサービスにまとめ、架空データや公開データでサンプルを3つ作る。目標は収入額ではなく、提案数と最初の1件です。副業の所得が20万円を超えたら確定申告、20万円以下でも住民税の申告は原則必要、という線引きも覚えておきましょう。

今日やることは1つだけ。就業規則の副業の条文を開くことです。AIを使えることは、選択肢を一つ増やすきっかけになります。副業のその先を考えたくなったら副業から起業までの12か月プランもどうぞ。

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