キャッシュカードがなくなる?三菱UFJの新銀行「エムットバンク」報道|スマホATM時代に20〜30代男性が今週15分でやる口座の守り方

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「キャッシュカードがなくなるらしい」。11月4日朝、そんなニュースが流れました。日本経済新聞の報道によると、三菱UFJフィナンシャル・グループが2027年に始める新しいデジタル銀行は、キャッシュカードを発行せず、スマホで入出金する方針だといいます。

カードを持ち歩かない銀行は便利そうに見えます。ただ、そのぶん「スマホ」と「だまし」に気をつける場面が増えるのも事実です。この記事では、まず公式に決まっていることと報道ベースの内容を分けて整理し、そのうえで、今使っている銀行口座を守るために今週15分でできる5つのことをまとめました。

特定の銀行をすすめたり、「これで被害はゼロ」と言い切ったりする記事ではありません。被害に遭う可能性を下げ、万一のときのダメージを小さくするための手順です。

この記事でわかること

  • エムットバンクについて「公式発表」と「報道」で分かれていること
  • 今あるスマホATMのしくみ(セブン銀行の例)
  • 被害の中心が「カード盗難」より「だまし」にある理由
  • 今週15分でできる5つの守り方と、スマホをなくしたときの最初の30分
  • 無料で使えるツール

目次

ニュースのポイント:エムットバンクで何が変わる?

朝のカフェでスマホのニュースを読む男性

公式に決まっていること

三菱UFJフィナンシャル・グループの2026年9月24日の発表では、新しい銀行は商号を「三菱UFJエムット銀行」とし、サービス名称は「エムットバンク」、開業は2027年1〜3月頃の予定とされています(三菱UFJフィナンシャル・グループのニュースリリース(PDF))。

報道で伝えられていること

一方、キャッシュカードを発行しないこと、スマホとQRコードで入出金すること、全国のセブン銀行ATM(約2.8万台)を使えるようにすること、多段階の認証を取り入れることは、日経の報道によるとという段階の情報です(日本経済新聞、英語版はNikkei Asia)。記事の詳しい部分は有料で、11月4日時点では三菱UFJの公式発表に同じ内容は見当たりません。

詳しい仕様は、開業前に公式から発表されるのを待つのが確実です。今の時点で「新しい銀行のほうが安全」「金利が良い」といった話を、SNSの未確認情報で判断しないようにしましょう。

項目 状態 出どころ
商号・サービス名「エムットバンク」 決定 三菱UFJの公式発表
開業時期(2027年1〜3月頃) 予定 三菱UFJの公式発表
キャッシュカードを発行しない 報道 日経・Nikkei Asia
スマホ+QRで入出金 報道 日経・Nikkei Asia
セブン銀行ATM約2.8万台 報道 日経・Nikkei Asia
手数料・限度額・金利 未定 公式発表待ち

表1:エムットバンクについて「決まっていること」と「報道」(2026年11月4日時点)

今すぐ口座を作れるわけではない

開業は早くても2027年の年明けです。今日できるのは、新しい銀行を待つことではなく、今使っている銀行口座の守りを固めることです。そのほうが、新しいサービスが始まったときにも落ち着いて判断できます。

今あるスマホATMのしくみ(セブン銀行の例)

ATM画面のQRコードをスマホで読み取る手元

アプリでQRを読み取って入出金する

スマホだけでATMを使うしくみは、すでにあります。セブン銀行の場合、ATMで「スマートフォン」を選び、画面のQRコードを「Myセブン銀行」アプリで読み取り、アプリに出た企業番号をATMに入力して取引します。普通預金の入出金には位置情報へのアクセス許可が必要で、不正利用を防ぐためにスマホとATMの位置を照合しています(セブン銀行 スマホATM)。

限度額はキャッシュカードの範囲内

セブン銀行の公式ページでは、スマホATMは磁気ストライプキャッシュカードの引出限度額(初期設定で1日あたり50万円)の範囲内で使え、1回あたりの引出限度額は10万円とされています。手数料は時間帯によって変わります。条件は変わることがあるので、使う前に公式ページで確認してください。

場面 キャッシュカード スマホATM
なくしたとき カードの利用停止 端末ロック+銀行に連絡
盗み見 暗証番号をのぞかれる 画面・コードを見られる
だまし カードや番号をだまし取られる IDやコードを送らされる
主な手続き 窓口・電話 アプリ・電話

表2:キャッシュカードとスマホATMで「気をつける点」の違い(一般的な目安)

どちらが安全という話ではなく、守るポイントが変わると考えるのが現実的です。カードの時代は「財布」を守ればよかったものが、スマホの時代は「端末」「パスワード」「確認コード」を守る必要があります。

データで見る:被害は「カード盗難」より「だまし」

自宅のソファで怪しいSMSを見て眉をひそめる男性

ネットバンキングの不正送金

警察庁のまとめでは、令和8年上半期のインターネットバンキングに関する不正送金は253件・約20億7,000万円で、前年同期より51%減りました(警察庁 令和8年上半期のサイバー空間をめぐる脅威の情勢(PDF))。

減ったのは良いニュースですが、警察庁は減った理由を断定していません。件数が減っても、1件あたりの被害は大きくなりがちです。「もう安全になった」と受け取らないことが大切です。

フィッシング報告は月9万件超

フィッシング対策協議会によると、2026年9月の報告件数は94,661件で、前月より約15.0%増えました。Amazonをかたるものが約33.2%、Appleをかたるものが約11.1%を占めています。AIに文面を作らせたと思われるメールも報告されており、見た目だけで見分けるのは難しくなっています(フィッシング対策協議会 2026/09 報告状況)。

台湾の例:カードなし出金を悪用した詐欺

カードを使わない出金は、海外ではすでに詐欺に悪用されています。台湾の工商時報によると、カードなし出金(無卡提款)を悪用した詐欺を受けて、金融監督管理委員会が銀行に、画面への警告表示、スクリーンショットや画面共有の制限などを求め、各行が2026年7月末までに対応しました(工商時報)。

ポイントは、出金に使うQRコードや番号を、他人に見せたり送ったりしないことです。仕組みがどれだけ安全でも、本人がコードを渡してしまえば守れません。

今週15分でやる5つの守り方

自宅のデスクでスマホのセキュリティ設定を操作する手元

① 銀行は公式アプリかブックマークからだけ開く

SMSやメールのリンクから銀行サイトを開かない。これだけで、偽サイトに入る入口の多くをふさげます。「口座が凍結されます」「本人確認が必要です」といった連絡が来たら、リンクは押さずに、いつもの公式アプリを自分で開いて確認しましょう。

② パスキー・多要素認証をオンにする

銀行やメールのアカウントで、パスキーや多要素認証が使えるなら設定しておきます。フィッシング対策協議会は、パスワードマネージャーは自分で登録した正規サイトにだけIDとパスワードを自動入力するため、偽サイトには反応しないと説明しています(フィッシング対策協議会)。「いつもは自動入力されるのに、今回は出てこない」は、立ち止まるサインになります。

③ 振込・ATMの限度額を下げ、取引通知をオンにする

普段使う金額に合わせて、振込やATMの限度額を下げておきます。あわせて、入出金や振込の通知メール・プッシュ通知をオンに。知らない取引にすぐ気づければ、被害を小さくできる可能性が高まります。

④ 「スマホをなくした時カード」を作る

スマホが財布の代わりになると、なくしたときに困るのは「どこに連絡すればいいか分からない」ことです。端末を探す方法、銀行の紛失・不正利用の連絡先、携帯会社の連絡先を1枚の紙にまとめ、財布や家の決まった場所に入れておきましょう。

⑤ QR・確認コード・ワンタイムパスワードは誰にも見せない

警視庁は、メールやSMSのリンクを安易に開かないこと、相手から送られたQRコードで「返金」を持ちかけられたら詐欺を疑うこと、店頭のQRコードが貼り替えられていないか確認することを呼びかけています(警視庁 QRコードを利用する時の注意点)。銀行や警察を名乗る相手でも、コードを電話やチャットで伝える必要はありません。

やること 目安時間 どこで設定
銀行アプリをホーム画面に置く 1分 スマホ
パスキー・多要素認証 5分 銀行・メールの設定
限度額を下げる 3分 銀行アプリ
取引通知をオン 2分 銀行アプリ
紛失時カードを作る 4分 紙かメモ

表3:15分チェックリスト(時間は目安)

家族にも伝えたい3つのこと

  • 銀行や警察が、電話やメッセージで暗証番号・確認コードを聞くことはない
  • 「至急」「今日中」と急がせる連絡ほど、一度切って公式の番号にかけ直す
  • 困ったら、払う前・入力する前に家族に一言相談する

スマホをなくした・だまされたかも:最初の30分

街なかで鞄やポケットの中を落ち着いて探す男性

まず端末をロックして、場所を確認する

iPhoneなら「探す」、Androidならグーグルの「デバイスを探す(Find Hub)」で、別の端末やパソコンから位置を確認し、ロックをかけます。見つからない場合に備えて、データを消去する方法も確認しておきましょう。

銀行に連絡して止める

銀行の紛失・不正利用の窓口に連絡して、取引を止めてもらいます。お金をだまし取られた可能性があるときは、迷わず警察に相談を。緊急でない相談は警察相談専用電話「#9110」、被害が起きているときは110番か最寄りの警察署です。

パスワード変更は別の端末から

乗っ取りが疑われるときは、無事な別の端末から、メールと銀行のパスワードを変えます。携帯会社にも連絡し、回線を止めてもらいましょう。どれも「被害を必ず防ぐ」ものではなく、被害を小さくするための順番です。

連絡先は、スマホの中だけでなく紙にも残しておくのがポイントです。スマホそのものをなくしたときに、スマホの中のメモは見られません。

無料で使えるツール

Myセブン銀行・Googleパスワードマネージャー・iCloudキーチェーン・探す・フィッシング対策協議会のロゴ

1. Myセブン銀行(無料)

セブン銀行口座のスマホATM、残高や入出金明細の確認に使える公式アプリです。セブン銀行に口座がある人向けです。

Myセブン銀行の公式サイト画面

画像:セブン銀行公式サイトより

[無料]Myセブン銀行(公式)

App Store からダウンロードGoogle Play で手に入れよう

2. Google パスワード マネージャー(無料)

Androidスマホやパソコンの Chrome で使えます。登録したサイトにだけ自動入力されるので、偽サイトに気づくきっかけにもなります。

Google パスワード マネージャーの公式サイト画面

画像:Google パスワード マネージャー公式サイトより

[無料]Google パスワード マネージャー(公式)

Android・Chrome の標準機能です(アプリのダウンロードは不要)。

3. iCloud キーチェーン(無料)

iPhone の標準機能で、パスワードやパスキーを Apple のデバイス間で同期できます。

iCloud キーチェーンの公式サイト画面

画像:Apple サポート公式サイトより

[無料]iCloud キーチェーン(公式)

iPhone の「設定」から有効にします(アプリのダウンロードは不要)。

4. 探す(iPhone)(無料)

なくした iPhone の場所の確認やロックに使います。事前に「設定」でオンになっているか確認しておきましょう。

探す(iPhone)の公式サイト画面

画像:App Store公式サイトより

[無料]探す(iPhone)(公式)

iPhone に最初から入っているアプリです。

5. Find Hub(デバイスを探す)(無料)

Android スマホの位置確認、ロック、データ消去ができます。ブラウザからも使えます。

Find Hub(デバイスを探す)の公式サイト画面

画像:Google公式サイトより

[無料]Find Hub(デバイスを探す)(公式)

Google Play で手に入れよう

6. フィッシング対策協議会(無料)

最新のフィッシングの手口や、怪しいメール・SMSの報告方法を確認できるウェブサイトです。

フィッシング対策協議会の公式サイト画面

画像:フィッシング対策協議会公式サイトより

[無料]フィッシング対策協議会(公式)

今週やること

チェックリストにペンで印をつける手元

今日5分、週末10分

今日は、取引通知をオンにして、限度額を下げるところまで。週末に、パスキーの設定と「なくした時カード」づくりをしましょう。家族やパートナーにも共有しておくと、もしものときに助けてもらいやすくなります。

お金の守りが固まったら、冬のボーナスの使い方や、昇給しても貯まらない問題の対策、年末の交際費の予算もあわせて見直してみてください。

いつ やること チェック
今日 取引通知をオン・限度額を下げる □
今日 銀行はアプリかブックマークから開く □
週末 パスキー・多要素認証 □
週末 なくした時カードを作る □
週末 家族と連絡先を共有 □

表4:今週のチェックリスト

よくある質問

エムットバンクはいつから使える?

三菱UFJの公式発表では、2027年1〜3月頃の開業予定です。詳しいサービス内容は、今後の公式発表を確認してください。

今使っている銀行のキャッシュカードもなくなる?

報道されているのは新しい銀行の話です。今の口座のカードがどうなるかは、各銀行の公式発表を確認しましょう。

スマホATMは安全?

方式によって気をつける点が違います。位置情報の照合などの対策はありますが、QRコードや確認コードを人に渡せば守れません。「安全かどうか」より「何を守ればいいか」で考えましょう。

怪しいメールを開いてしまったら?

リンク先で何も入力していなければ、画面を閉じて公式アプリで確認を。IDやパスワードを入力してしまった場合は、すぐに別の端末からパスワードを変え、銀行に連絡してください。

まとめ:カードの次は「スマホとコード」を守る

  • エムットバンクで公式に決まっているのは名称と2027年1〜3月頃の開業予定。カード不発行などは日経の報道
  • 被害の中心は、カード盗難より「だまし」によるIDやコードの流出
  • 銀行は公式アプリから開く、パスキー、限度額と通知、なくした時カード、コードを見せない
  • スマホをなくしたら、ロック→銀行に連絡→別端末でパスワード変更

新しい銀行が始まるのは、まだ少し先です。今週はまず、今使っている銀行アプリの通知設定を開くところから始めてみましょう。

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